starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

メルセデス・ベンツ編 EQA/AMG Project ONE/Smart vision EQ fortwo


スバルの前デザイン部長の難波さんとのデザイン放談も残すところ、ホール2とホール3のふたつを残すのみ。かなり歩き疲れた我々(難波さん+MF編集長スズキ)だが、盟主ダイムラーのブースは外すわけにはいかない。

もうホール全体、ダイムラー。この図だとわからないが、3階建てくらいの高さがあるのだ。

ホール2は、例年ダイムラー(メルセデス・ベンツ、スマートなど)が独自の世界を見せてくれる場所。ホールに入ると、観客は長ーいエスカレーターの乗せられて最上階(3階?)まで運ばれる。あとは、メルセデス・ベンツが提示する世界をぐるりと見たり触れたりしながら1階まで降りてくる仕組みだ。降りてきたころには、「やっぱりメルセデス・ベンツってすげーな!」と思うようになっているという仕組みだ。

EQA EQブランドの「Aクラス」

難波 治 筑波大学芸術学群生産デザイン専攻卒業後、スズキ自動車に入社。カロッツェリア・ミケッロッティでランニングプロトの研究、SEAT中央技術センターでVW世界戦略車としての小型の開発の手法研究プロジェクトにスズキ代表デザイナーとして参加。独立後、国内外の自動車メーカーのデザイン開発研究&コンサルタント業務を開始。2008年に富士重工業のデザイン部長に就任。13年にCED(Chief Executive Designer)就任。15年10月から首都大学東京トランスポーテーションデザイン准教授。

ーメルセデスの、多分EQの新しいAってやつですね。EQA。EQは、ダイムラーのEV専用ブランドです。EQブランドのコンパクトハッチバックが、このEQAです。


難波:これこそですね、ほとんど話題がないんですね。特に新しいスタイリングのトライをやっているわけじゃありませんし、もうモックアップ丸出しですし、強いて言えば、テールランプとかヘッドランプの、ロープをこう新体操のロープっていうんですか、あれみたいなつながっているような感じのところが面白いなぁと思いました。でもね、本当にこういうのは、この世界になると、何ができるかっていうところをいろいろと提案したくて、外観は一応クルマの姿をまとっていなければいけないから作るっているような感じだとボクは理解をしているんです。ところで、黒とシルバーのツートーンっていうのは、もともとBMWがやり始めたやり方じゃないですよね、次世代車とかEVに。これでブルーのラインがどっかに入っていたら、まるでBMWの手法なんですよ。それをメルセデスが今回だけじゃなくて、この前、パリ・ショーくらいからかな、同じようなやり方をしてるんで、まあ、メルセデスもどういうつもりかなっていつも思っていましたが……。最近ね、メルセデスが作るショーカーのクオリティがすごく低いっていうか、安っちいんですよ。このモックアップ、すごく安く作っていると思いますよ。ものすごく。




ーなんか中身がない感がすごくしますよね。


難波:だから、ねぇ、実車の迫力みたいなものはないですよね。特に提案性もないですよ。造形も特に嫌みがなく仕上げてあるだけです。他のモックアップも、ものすごく作りが悪い。本当に。ああ、こんなもんかなって思いましたけどね。建物には100億くらいかかってると思いますけど……(大笑い)

AMG Project ONE

次は、公道を走れるF1としてデビューしたハイパーカーのAMG Project ONEです。




ー難波さん、こういうの、あんまり興味ないでしょ?


難波:メルセデスのマークが、画です。ドアが閉まっているときに、ボク、サイドのブルーのラインって、どっかから光で映してるのかなって思ったんですけど、じつはあれも画です!それだけ。




ーF1マシンのノーズのスリーポインテッドスターも画ですよ。


難波:そうなんだ。でもすごく立体的な画なんですよ。平べったいパターンじゃなくて立体的な画で面白かったですよ。




ーこういうクルマにしちゃ、普通のデザインですよね。これ、自社デザインなんですって。


難波:そうですか。これ、どっかのレース走るの? そうじゃないでしょ。売るんですよね。




ー売るんです。275台。


難波:意外と、これ走ってくれたら迫力あると思いますね。あの、背骨みたいに伸びてるあの、フィンが、なかなかうまく醸し出してますね。

Smart vision EQ fortwo

ーこれは、EQAのスマート版、Smart vision EQ fortwoです。もちろん、EVでカーシェアリングでの使用を考えて開発したそうです。


難波:とっても可愛いクルマに仕上がっていますね。こういう小さくて可愛いクルマがたくさん街を走ってくれると、いいですね。街が楽しくなりそうな気がします。で、本当だと、多分これだけ大きいタイヤはなかなか使わないんでしょうけど、今はやっぱりデザインモデルで、このぐらいのタイヤのバランスがないと一人前のクルマの仲間入りとして扱われないんですよね。だからタイヤのサイズってすごく大事で、タイヤサイズが小さくなると、ボディが勝ってしまうし、いっぱしの乗用車ってところからちょっと違った方向にズレていってしまう。コミューターカーみたいなところにいってしまうので、それを避けているんだと思うんですけど。ただ、スタイリングそのものは特に目新しいものはなくて、いままでとほとんど同じようなテーマの造形です。


で、あのサイドのガラス面全体が回転して開くじゃないですか。それも特に驚きはないんですよね。まあ、でもそこをちゃんとドアのカタチと、動きとを合わせているのは、当たり前のやり方ですね。実際には学生が考える、ワークショップとかインターンシップとかで学生が考えるアイデアで、多分これに近いものは、過去いくつもあったと思いますよ。まあ、でも、真っ白で、すごく高質感もあり、だけど全体の雰囲気は柔らかくて、こういうのってすごく好ましくていいなって思います。




疲れた足を引きずって、最後はホール3、VWグループのホールへ向かいます。

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.