国土交通省は9月13日、車検切れ車両の取り締まりを強化。同省が行う街頭検査に可搬式の「ナンバー自動読取装置」を試行導入して、公道を走行する車検切れ車両を把握し、当該車両のドライバーに直接指導・警告する対策を開始することを発表した。平成29年度は全国5ヵ所に試行導入し、平成30年度より本格導入・運用を開始する予定。
9月15日に国交省1階正面玄関前駐車場で行われた、可搬式ナンバー自動読取装置のデモンストレーションでは、可搬式ナンバー自動読取装置のカメラとPCが設置され、3台の車両がその前を周回。
カメラが通過した車両のナンバープレートを読み取って自動車登録検査業務電子情報処理システム（MOTAS）と照合し、車検切れ車両がカメラの前を通過した時のみ瞬時に、アラームとともに車両の写真とナンバーをPCの画面に表示する様子が披露された。
なお、実際の取り締まり現場では、運輸局の職員に警察官が同行し、その警察官が即座に車両を引き込んで車検証を確認、車検が切れていればドライバーに対して直接指導・警告を行う。
視察に訪れた国交省の奥田哲也自動車局長は、「無車検車は安全性への懸念もさることながら、自賠責保険が切れている可能性も高いことから、私は早期に是正を図っていく必要があると考えている。可搬式ナンバー自動読取装置は非常に簡易に車検切れ車両を判別でき、また可搬式であることから様々な所でチェックできるため、無車検車の走行に対する抑止力も充分に持っているものと思っている。我々は今後この機械を活用して、公道における無車検車の走行を是正していきたい」と、その狙いを説明。
「我々の推計では、公道ではおよそ20万台、0.2～0.3%の比率で無車検車が走っている。これまでは街頭検査でしかこういったチェックができなかったが、こういった機器を各運輸局の管内で持ち運んでチェックすることで、無車検車の走行はかなりのペースで是正していけると思っている。具体的な実施の方法は、今回の実証実験や、来年度に向けて機器購入の予算要求を行っているので、それらの結果を踏まえながら考えていきたい」と、今後の計画を話している。
