カルソニックカンセイとフランスのQuarkslab社が立ち上げた自動車分野のサイバーセキュリティに本格的に取り組むための会社「合同会社WHTIE MOTION」の設立記念セレモニーがフランス大使館で開催された。
自動車部品メーカーのカルソニックカンセイ株式会社は、フランスのQuarkslab社と共に、自動車分野のサイバーセキュリティに本格的に取り組むため、今年7月18日「合同会社WHTIE MOTION」の設立を発表した。設立のきっかけとなった“日仏イノベーション年” のビジネスマッチングプログラムを展開する在日フランス大使館のローラン・ピック駐日フランス大使、合同会社WHITE MOTION 最高経営責任者 蔵本雄一氏が主催の設立記念セレモニーを9月6日、在日フランス大使館で行なわれた。
当日は、自動車メーカーや政府関係者、教育機関関係者、報道関係者、ジャーナリスト、アナリストなど約200名が列席し、WHITE MOTIONの設立を祝った。
自動車業界では、“自動運転”や“コネクテッドカー”といった技術革新が著しく進み、自動車がインターネットを通じてサイバー空間へと繋がりはじめている。サイバー空間と繋がることで起こりうる、ハッキングやクラッキング、コンピューターウィルスといった脅威への対策は、自動車の安全や快適、地球環境への配慮のうえで、喫緊の課題と捉えている。
しかし、こうしたサイバー空間に対するセキュリティ技術は、自動車部品メーカーであるカルソニックカンセイにとって、従来の技術やソフトウェアの延長線上になく、未知の領域だった。
そのような状況のもと、カルソニックカンセイが2015年11月、沖縄で行なわれた国際会議「Cyber3 Conference Okinawa 2015(C3カンファレンス)」に参加した際に、参加者であったフランス大使関係者から「日仏イノベーション」年のビジネスマッチングプログラムの紹介を受け、今回のパートナーであるフランスのセキュリティ関連企業「Quarkslab社」と出合ったという。
ITとクルマの異業種同士が協力し合うことで、両社の得意分野と弱みを補完し合い、自動車のセキュリティ対策という社会的使命/公益性を重視した会社、「合同会社WHITE MOTION」の設立に至った。
社長に就任した蔵本雄一氏は、セキュリティ対策の分野で著名な日本マイクロソフト出身である。
「WHITE MOTION」
WHITE MOTIONは、カルソニックカンセイとQuarkslab社の経営資源やノウハウを活用し、自動車のセキュリティ向上のためのサービス、技術、製品 の提供を通して、顧客のニーズに応えていく。
会社名 :合同会社WHITE MOTION
所在地 :埼玉県さいたま市北区日進町2-1917(カルソニックカンセイ株式会社 本社内)
代 表 :蔵本雄一
主な事業 :車載セキュリティソフトウェアの開発・販売、車載製品のセキュリティ評価、セキュリティ教育、セキュリティコンサルティング
「Quarkslab社」
Quarkslab社は、サイバーセキュリティの分野で著名なFred Raynal氏を中心に、2011年に設立された企業。
フランス パリに拠点を置き、高度なサイバー攻撃を防ぐセキュリティ製品・サービスを、航空機産業大手のエアバスや、マイクロソフト、アドビー他、幅広い顧客へ提供している。
WHITE MOTIONを通して、Quarkslab社の高い技術力を自動車分野のサイバーセキュリティ対策に提供していく。