世界水準の燃費性能を実現した
新世代クリーンディーゼル
MAZDA/CX-5
マツダ/CX-5(KE系前期)2012年2月発表
マツダの次世代新技術であるフル・スカイアクティブも、新しいデザインテーマ“魂動”も、その第1弾という、いわゆるひとつの鳴り物入りで登場した感のあるCX‐5はスタートダッシュよろしく売れている模様だ。
しかもディーゼル車が7割を占めるというのだから、日本人はけしてディーゼルを好まないわけではなく、ここしばらく選択肢が少なすぎただけだと考えられなくもない。
さて、そのディーゼルエンジン=スカイアクティブDを搭載したCX‐5。早速運転席に乗り込んでイグニッションON。
「ん!? これホントにディーゼル?」と思うほど、車内で聞くアイドリング音はガソリンかディーゼルか区別がつかない。
車外に出るとさすがにディーゼルらしさを感じるが、昔ながらのディーゼル音とは、当たり前のことながら雲泥の差だ。走行中も音に関して、ついでにいえば振動も含めてバルクからフロア周りなどキッチリ対策していることが伺える。
もちろん主役たるディーゼルエンジン・スカイアクティブD自体、とても優秀なパワーユニットだ。1900rpm当たりでピークトルクを発生するタップリの低域トルクのおかげで、発進時はアクセルを踏むというよりも足を乗せる+α程度の感覚で、1500㎏前後のボディを苦もなくスタートさせるほどまったくのストレスフリー。
さらに、そこから力感十分のパワフルな走りをアッサリと披露してくれる速いディーゼルっぷりもかなりのもの。ちなみにタコメーターでは5400rpmがリミットになっているが、あと数百回転は許容する。また5000rpmあたりまでは落ち込みを感じることもない。
かようなディーゼルのパフォーマンスを知ってしまうと、ガソリン車はどうなの? となってしまう。確かにディーゼル車からガソリン車に乗り替えると、わかっているつもりでも低域トルクの差を感じざるを得ない。
逆に6速ATとのマッチングやシフトレスポンスといった面ではガソリン車にアドバンテージがある。もっともこれはミッションへの負担やシフトショックの低減など、ディーゼルの大トルクゆえの悩ましいところだし、けして不満というレベルではない。
いずれにせよCX‐5が備えているリニアな操舵感、クルマの重さを意識させないロールマネージメントの巧みさなど、その他の魅力の数々はどちらのパワーユニットを選んでも確かに手に入れることができる。
低回転域からのトルクフルな走りがディーゼルエンジンの特徴。スカイアクティブDはその良さをしっかり引き出している。
リアルーフスポイラーだけではなく、リアコンビランプの形状を最適化するなどで空力特性を高めている。写真はXD・2WD。CX-5はグレードによる外観の差別化はホイール程度だ。
燃費とパワー、そして環境性能に優れた新世代ディーゼルエンジン。日本車でもいよいよディーゼルエンジンが注目されそうな予感。
フロントシートは大きめのシートバックとサイドボルスター形状により高サポート性を実現。XD・Lパッケージでは10Wayパワーシートも採用する。
操作のしやすさ、情報の見やすさを追求したコクピットデザイン。ナビやオーディオなどの情報はマルチインフォメーションディスプレイに表示する。
XD・2WDではCX‐5シリーズ最高の18・6㎞/ℓ(JC08モード)をマーク。ちなみにガソリン車の20S・4WDは15・6㎞/ℓ。
「スマート・シティ・ブレーキ・サポート」を体験!
CX-5には新開発の「スマート・シティ・ブレーキ・サポート(SCBS)」を搭載。このシステムは作動条件下で衝突の危険性が高いと判断した場合に“ドライバーのブレーキ操作に対して即座に強い制動力を発揮できるよう、ブレーキの遊びを詰めます”というもの。またドライバーがブレーキ操作を行わなかった場合には、システムが自動的にブレーキを作動させて減速、衝突を回避あるいは衝突ダメージを低減する。
4~30㎞/hの低速走行中に、ウインドウ上部のレーザーセンサーが前方の車両を検知する。
※記事の内容、価格、スペック等は2012年2月のデビュー当時のものです。その後の一部改良等で変更になっている可能性もあります。
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]