純粋に機能を表現した美しさが
世界中のフリークを惹きつける
BBS/ビービーエス
世界に鍛造ホイールを広めたマニュファクチャラーとして知られるBBS。F1用鍛造マグネシウムホイールや超超ジュラルミン鍛造の商品化など数々の世界初となる偉業を支えたのは日本の高い技術力の賜物であった。
BBSは1970年に2人の創業者がドイツのとある町で起業したことからはじまる。創業者であるハインリッヒ・バウムガルトナー氏とクラウス・ブラント氏、そしてシルタッハという町の名前の頭文字からネーミングされたのは有名な話。
ただし、最初から鍛造ホイールを手掛けていたわけではない。設立当初に扱っていたのは、FRP加工品。いわゆるエアロパーツだ。それがヨーロッパのツーリングカー選手権に採用されるようになり、1972年よりホイールを製造するようになった。
その後、軽くて剛性のあるホイールを求めていたBBSと、繊維機械部品(ボビン)の鍛造技術を活かせないかと模索していたワシマイヤーが業務提携し、BBS鍛造ホイールの歴史が始まる。
1984年には5000トンプレス機を増設。モータースポーツの分野は別として、乗用車向けホイールといえば鋳造が当たり前だった時代に、鍛造ホイールを市場に送り出すことに成功した。
そのBBSの名が、一躍世界に広まったのが、1985年のSEMAショーでの技術革新大賞の受賞。当時、鍛造ホイールといえばディッシュやスポークなど、シンプルなデザインばかり。しかし、BBSが上梓したのは複雑なメッシュデザインの鍛造1ピースホイール。
そのホイールこそ、現在でも多くのファンに愛されているRG。鍛造1ピースホイールの礎を築いた記念すべきモデルである。
また、同年、ニッサン・スカイラインのオプションパーツとしてBBS製鍛造ホイールのOEM供給もスタート。このことを契機として、スカイラインGT‐Rやベンツ、ポルシェなどの名だたるクルマに純正採用、あるいはオプションで設定されたのは記憶に新しい。
ちなみにRGを含め、LMやRSなど、長年愛されているBBSホイールにはメッシュデザインが多い。その理由のひとつとして挙げられるのが、リムとスポークの交点を多く設けるため。スポークの間が広ければ、路面からの入力をリムだけで受け止なければならない部分が多くなる。それを少しでも減らすための理にかなったデザインが、メッシュデザインであったというわけだ。
一方、モータースポーツの分野においてもBBSは輝かしい経歴を残す。1991年、フェラーリ社からの依頼を受け、鍛造化は難しいといわれたF1用マグネシウム鍛造ホイールを世界で初めて完成。
翌年のチャンピオンシップより実戦投入され、そのシェアを拡大。そして1994年ミハエル・シューマッハーがワールドチャンピオンに輝くと同時に、BBS製マグネシウム鍛造ホイールは世界一の称号を手に入れた。
そして、2011年。世界で初めて超超ジュラルミン鍛造ホイールを商品化。どこにも真似のできない技術で、どこにも真似のできな品質で、世界最高のホイールを送り出すというBBSの信念は、1984年に鍛造ホイールを生み出してから変わることなく息づいている。
RECOMMEND PARTS
LM
発売から25年もの間、エアバルブの改良などをのぞき、デザインを変えることなく愛されるBBSのロングセラーモデル。この普遍性の高さもBBSに憧れる人がやまない理由かもしれない。SIZE/17×7.0〜21×10.0、PRICE/8万5500円〜
RI-D
2011年、BBSが世界で初めて超超ジュラルミンの鍛造ホイールとして送り出したRI-D。スポークが細く華奢に見えるかもしれないが、想像をはるかに上まわる強靱さと軽さを実現している。SIZE/19×8.5〜21×10.0、PRICE/20万4000円〜
問:BBSジャパン 03-6402-4090
スタイルワゴン2019年7月号より
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