見た目と走り、使い勝手も進化した
噂の新ディーゼルをロードテスト!
MITSUBISHI/DELICA D:5
ミツビシ/デリカD:5
4WD=CV1W
ミニバンの居住性とSUVの走破性を両立した、デリカD:5がビッグマイナーチェンジを実施した。外観は押し出し感が強調されたフロントグリルを採用し、それを挟み込むように縦にLEDヘッドランプを配置。内側がハイビーム、外側はロービームとなっており、一見ヘッドライトに見える上部の切れ長のLEDライトはポジションランプだ。
この大胆な変身により、デリカらしい力強さに加えて、ラグジュアリーミニバンのようなゴージャスな雰囲気を手に入れた。標準仕様はアンダーガード風のバンパーを採用した力強いデザインだが、洗練されたエアロパーツを標準装備したアーバンギアも用意されている。インテリアもインパネにステッチを施したソフトパッドを多用することで上質感を大幅に高めている。
エンジンは以前から設定のあった2・2L直4ディーゼルターボだが、約半数の部品を新設計することでトルクアップと静粛性の向上を図った。ATも6速から8速に進化したことで27%もワイドレシオ化され、力強い発進加速と高速巡航時の低回転化を実現した。
実際に走らせてみても発進時から加速が滑らかになり、ディーゼル特有のノイズや振動も随分と静かになった。深くアクセルを踏み込んで発進する時や、3000rpm以上回した時にはディーゼルらしい音が出るが、一般的な走行シーンではいたって静かだ。
新型は安定してクリーンな排ガス性能を達成するために尿素SCR方式を採用する。これにより1万5千㎞程度走るたびにアドブルーを補給する必要があるが、その分燃費が良くなっているので、大幅なコストアップにはならないだろう。
ハンドリングに関してはフロントのボディ剛性を強化し、スプリングの配置や傾斜角を変更。電動パワーステアリングはデュアルピニオン式が新たに採用され、ハンドリングの正確性と操舵感を向上させた。車体の重心が高いので山道ではロールが大きくはなるが、車体を傾かせながらも粘ってくれるので意外なほど安心して走ることができる。
リアサスもスプリングの特性変更やダンパーのサイズアップが施された結果、従来型よりもしなやかな乗り心地になった。ひと昔前の高級車のような、少しフワッとした乗り心地なのだが、これが実に心地良い。
先進安全装備は歩行者にも対応した自動ブレーキや全車速域対応のアダプティブクルーズコントロールが装備されたが、この価格帯のミニバンなのにステアリング制御付きのレーンキープアシストが搭載されなかったのは残念。
従来型では210㎜あった最低地上高が185㎜になってしまったが、4WDの制御が緻密になったことで雪道や悪路の走破性は従来型よりも向上させている。
新型デリカD:5は見た目の印象と走りのテイストをガラリと変えたことで、アウトドア派だけではなく、ゴージャスなテイストを求めるミニバンユーザーにもオススメできるモデルに進化を遂げている。
標準車
アーバンギア
【後編】では、新型デリカD:5の知っておくべき変わったところを総チェック!
問:三菱自動車お客様相談センター 0120-324-860
https://www.mitsubishi-motors.co.jp
スタイルワゴン2019年5月号より
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