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世界初!? 全日本ラリーにハイエースが参戦! 違和感満載のラリー挑戦に隠された真意は?


機材車じゃなくて競技車!
ガチでハイエースが走る姿がすごい!

CAST Racing/HIACE
キャストレーシング/ハイエース

CAST Racing_ハイエース_走りイメージ

ハイエースでJRCに参戦する、このプロジェクトを担うのが、200系ハイエースの機能性パーツを開発、販売するCAST Racing。

Neo Tuneで知られるサンコーワークスとCAST製品を担当する代理店である丸徳商会の3社がタッグを組み、今回の参戦が実現した。

排気量や駆動方式で6クラスに区分されているJRC。

ハイエースが参戦するのは1500cc超2500cc以下の後輪駆動車で競われるJN3クラス。

ライバルとなるのは86やBRZといった、走るために生まれたと言っても過言ではないクルマ達だ。

昨年、JAF登録されたハイエース。

公認競技に参戦するにはレギュレーションに沿ったマシンメイクが必要となる。

詳細は割愛するが、乗員保護が目的の安全装備がメインとなり、まず目立つのがロールケージだろう。

部材、肉厚、溶接方法など、細かく定められていて、横転や転落の可能性が高いラリーでは最も重要なパーツ。

もちろん、足まわりやシート、ステアリングと言った、走りに関わる基本的な部分にも手が入る。

誰がどう見たって86と勝負になるわけがなく、その辺りを単刀直入に質問してみると、勝ち負けにこだわるのではなく、ラリーに参戦することで、CASTがリリースする機能性パーツ類へのフィードバックが主たる目的とのこと。

様々な路面、天候を相手にしなければならないラリー。

確かにパーツ開発の場としてはこれ以上ない舞台と言える。

かつてランサー、インプレッサが世界中のラリーで活躍し、進化したことを見ても明らかだ。

唐津で行われた第3戦、林道を全開で走るハイエースの姿は、はじめこそ違和感がたっぷりだったけど、意外にもちゃんとラリーしていて驚いた、というのが率直な感想。

1台は最終SSでパワステトラブルからのコースオフでリタイヤしたものの、1台は最下位ながらも完走を果たした。

2速と3速が開きすぎているギアレシオや、脚、デフのセッテイングを詰めることでさらなる進化が期待できるだろう。

CAST Racing_ハイエース_走り

砂煙りを巻き上げながらコーナリングする姿はまさにラリー。十分なテストができなかったものの、伸び代が大きい分、今後の進化が楽しみだ。

CAST Racing_ハイエース_参戦車

全日本ラリー第3戦ツール・ド・九州2021in 唐津に2台のハイエースの姿が。サービスカーではなく紛れもない競技車両のハイエース。強豪ひしめくガチのラリーに参戦したハイエースは違和感たっぷりだけど、走りはちゃんとラリーしてました。

CAST Racing_チームスタッフ

左から監督を務める丸徳商会の徳間信平氏を中心に、喜多見孝弘・木原雅彦組、国沢光宏・大西恵理組が参戦。チーフメカニックの三枝豊和氏は長年に渡って世界中のラリーで活躍した、ラリー界では知らぬ人はいない敏腕メカニック。

CAST Racing_ハイエース_シート

シートはブリッドを使用。サイドバーも装備されるので乗降性にはやや難ありだが、これも全ては安全のため。

CAST Racing_ハイエース_インパネ

延長サイドブレーキレバーがいかにもラリー車の装備。飾りではなくサイドターンを容易にする本気のパーツだ。

CAST Racing_ハイエース_ロールゲージ

車内で一際目立つフル溶接のロールケージ。スペアタイヤや車載工具の配置は重量配分にも関わる部分で、試行錯誤が重ねられていた。

CAST Racing_ハイエース_バンパー

細かいことだが、バンパーの脱着を容易にするこういった工夫がいかにもラリー車っぽい。一般的ではないが、見た目のアクセントにもなっている。

CAST Racing_ハイエース_足回り

足まわりは前後ともにNeo Tune。純正ショックからオイルを抜き取り、チューニングオイルを注入するお手軽チューンアップメニューだ。

CAST Racing_ハイエース_最大積載量

最大積載量を300キロに減らすことで、バンタイヤではなくアドバンA052のようなスポーツラジアルを履くことが可能となった。

スタイルワゴン2021年6月号 No.306より


[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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