普段使い、時々キャンパー
ライトキャンパーの定義は『普段使えて・寝られて・遊べる』
LightCamperStyle/ライトキャンパースタイル
新型コロナウイルスの影響もあり、アウトドア、とくにキャンプが流行っている。それに伴って、クルマにアウトドアの要素を求めるライフスタイルも増えつつある。
そのひとつが例えばキャンピングカーだ。いまキャンピングカーは空前のブームの最中にある。人気のモデルともなれば、納車まで半年から1年というのも珍しくない。たしかに豪華絢爛、装備潤沢なキャンピングカーは魅力的ではあるものの、いざ買うとなると高価なものだし、なかなか簡単に手を出すというわけにもいかない。
また、バスコンやキャブコンといった大きさになれば、普段の買い物や送り迎えまでそのクルマでこなすのは現実的ではなく、キャンピングカーはあくまでもレジャー用、もう1台、もしくは奥様の分まで含めてもう2台必要なんてことにもなる。それはそれで、駐車場代やら保険代、車検……と頭の痛い話も増えてきてしまうのだ。
そこで、そのいいとこ取りを狙ったのが、ライトキャンパーだ。『ライトキャンパー』とは、ノーマルと何ら変わらず街中を走れるワンボックスカーやミニバン、軽自動車などに、ベッドキットなどを搭載し、車内でくつろいだり、車中泊ができるクルマのことを指す。
仕様によっては、快適装備が加わったり、アウトドアレジャーの道具をスマートに収納することもできる。ビルダーが作るコンプリートカーであれば、価格帯は250万〜400万円台が目安。もちろん今所有しているクルマを、自分なりのライトキャンパーに仕立てても良い。車中泊を快適にこなすための後付けパーツは実はどんどんと増えている。
本格的なキャンピングカーとの線引きは曖昧ではあるが、キーワードは『普段使えて』『寝られて』『遊べる』。この3つをこなせるクルマがライトキャンパー。そしてそのクルマで幸せを感じる生活がライトキャンパーライフだ。
■■キーワード.1 普段使える■■
買い物も送迎も“普通〟にこなせる日々の足
本格的なキャンピングカーとライトキャンパーとの大きな違いは、“普段使える”という部分。車内のスペースは当然ながら有限なので、充実した装備が欲しい、就寝人数を増やしたいとなれば、クルマのサイズはどんどんと大きくなっていき、トラックやバスベースのキャンピングカーへとなるが、そのクルマを普段から使うとなると、取り回しや駐車スペースの面からもちょっと厳しい。日常的な買い物や子ども達の送り迎えに気兼ねなく出掛けるには、やはり“普通のクルマ”であるべきなのだ。また、大がかりな架装は車重が増え、走行性能も変わる。適度な装備のライトキャンパーなら、長距離移動時のストレスもなく、快適かつ安心して走行できる。
ミニバンは、乗車定員、積載量、燃費性能、走行性能などのバランスがいい。車内は広くフラットアレンジもできるので、車中泊車としても使いやすい。
■■キーワード.2 寝る■■
“普通”のクルマにはない快適な車中泊
車中泊をするための装備が備わっていたり、快適に寝るための工夫が施されていて、“車内で寝る”ことに長けているのがライトキャンパーの定義のひとつ。ノーマルのクルマにはない、ライトキャンパー最大の特徴でもあり、ある意味この部分の良し悪しが車中泊をする上では最も重要。ビルダーが作るコンプリートカーは、専用開発されたベッドキットが装備されるなど、当然のごとく快適な就寝ができるが、日常の足として車内もノーマル同様に使いたい、今乗っているクルマで車中泊を楽しみたいということであれば、後付けのベッドやシートの段差を埋めるようなマットやクッションを使うのもあり。工夫次第で快眠を手に入れられる場合もある。
純正シートをフラットにアレンジしても、正直なかなか快眠とまではいかないが、クッションやマット、寝る場所を工夫することで解消できる場合もある。
■■キーワード.3 遊ぶ■■
載せるのは人だけじゃなく“そと遊び”ギアも
ライトキャンパーの定義、3つ目のキーワードは“遊ぶ”だ。車内で遊ぶという意味ではなく、遊ぶためのギアを積載できるということ。例えばサーフィン。朝イチの海に入りたいから夜のうちにスポットまで移動し、夜明けまでの時間は車内で寝るなど、車中泊は、アウトドアスポーツやキャンプなどと密接な関係にある。広い車内を持つライトキャンパーならば、これらのギアを積み込むのもたやすい。ルーフ上を使って専用キャリアなどを増設すれば、より積載量もアップする。また、シンク付きのクルマであれば、汚れた体やギア、または一緒に遊んだペットを洗ってあげることもできる。遊びの面でも装備充実していれば、より車中泊が楽しくなるに違いない。
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