スポーツチューンを施した“特別仕立て”のプリウス
TOYOTA/PRIUS S“TOURING selection G’s”
トヨタ/プリウス S“ツーリングセレクションG’s”(30系後期) 2011年12月デビュー
いわば自動車メーカー認知のチューンアップ車がこのGsだ。内・外観、サスペンションなどの機能パーツを“特別仕立て”にした個性追求派には魅力的な存在だろう。
もちろんトヨタのディーラー(プリウスの場合、トヨタ/トヨペット/カローラ/ネッツ各店)でクルマを買うことができ、当然、購入のみならずアフターケアも安心して受けられるのは、大きな魅力でもある。
ラインアップは、乗用車系ではプリウス、ヴィッツ、マークXなどがあり、ミニバン系ではノア/ヴォクシー、ヴェルファイアなどが用意される。
今回試乗のチャンスがあったのはプリウス。外観はご覧のとおりで、ひと目でわかるのは前後バンパー、LEDイルミネーションランプ、ホイール&タイヤ(18インチ、タイヤは215/40R18ダンロップDIREZZADZ101)などの専用パーツ。
ランプも前後ともブラック加飾とし、シャープな印象としている。黒い大きな開口部をもつバンパーは、ヘッドランプと繋がるデザインで、ルノーなどの最新の高性能モデルにも一脈通じるデザイン。
と同時に一見しただけでは、これがあのプリウス!?と感じるダイナミックな雰囲気だ。
内装では赤ステッチ入りのステアリングホイールやカーボン柄+ダークシルバーで精悍に仕上げられたシフトまわり、赤いGs専用パワースイッチ、そして専用スポーティシートなどを装着。シートはセミバケット風で、走行中に的確に身体を支えてくれ、かつ必要以上に姿勢を規制しすぎない、なかなか上手い仕上がりだった。
そしてサスペンションでは、15㎜ローダウンのスプリングを装着。さらに下まわりの強化パーツとして、フロントサスペンションメンバー前後ブレース、フロアセンターブレース、リアバンパーリインフォースの装着ほか、スタビライザーブラケットの大型一体構造化、ロッカーフランジスポット溶接打点追加なども実施されている。
実際の走りは「この仕様をプリウスの標準にしてほしい!」と思えるものだった。とくに走行中の安定感、スムーズさは目を見張るほどで、低速からダンパーがキチンと効き、標準車の17インチより乗り心地がいい……とさえ思える点には非常に好感がもてた。
専用マフラーで“ヌケ”がよくなりパワー感もよりスムーズ。なかなかジェントルな味わいの、トクベツなプリウス、である。
スポーツコンバージョン・シリーズ“G SPORTS”の第3 弾としてデビューした「“S ツーリングセレクション・G’s”」。
インパネやドアトリムにはカーボン調の加飾を施すほか、アルミ製アクセル&ブレーキペダルの装備など、エクステリア同様スポーティに仕上げた。シートは専用表皮やレッドステッチステアを採用。「G’s」のロゴ入りでさり気なくアピール。
ブラック加飾のヘッドランプやLEDイルミビームなどでアグレッシブな表情をメイクアップ。専用デザインのバンパーを採用する。
ブラック加飾を施したリアコンビランプ。リアバンパーも専用デザインとなり、大口径のマフラーも採用し、スポーティなリアスタイルを演出する。
タイヤ&ホイールはダンロップDIREZZADZ101の215/40R18。リムをレッドラインで飾ったホイールはGsのアイデンティティを感じさせるデザインで、専用メーカーオプションとなる。
【SPECIFICATION】
<プリウスS“ツーリングセレクション・G’s”> 価格284万円
主な専用装備 ■エクスエリア:フロントバンパー(専用ターンランプ内蔵)&ロアグリル、リアバンパー、ディスチャージヘッドランプエクステンション(ブラック加飾)、リアコンビネーションランプエクステンション(ブラック加飾)、LEDイルミネーションビーム、マフラー(バッフル部)、215/40R18タイヤ(ダンロップDIREZZA DZ101)&7.5J G’s専用アルミほか。 ■インテリア:スポーティシート(前席/G’s刺繍マーク付き)、スエード調シート表皮(レッドステッチ付き)、本革巻き4本スポークステア(レッドステッチ付き)+スイッチベース(高輝度ダークシルバー塗装)、シフトノブ(クリアスモーク+レッドライン+高輝度ダークシルバー塗装)+シフトレバーベゼル(高輝度ダークシルバー塗装)、センタークラスター(カーボン調塗装)、パワースイッチ(レッド/G’sロゴ付き)、インサイドドアハンドル&ドアアームレストカバー(高輝度ダークシルバー塗装)、ドアスイッチベース(カーボン調塗装)、アルミペダルほか。 ■G’sスペシャルチューン:チューニングサスペンション(約15mmダウン)、剛性アップアイテムなど。
※記事の内容、価格、スペック等は2011年12月のデビュー当時のものです。その後の一部改良等で変更になっている可能性もあります。
※スタイルワゴン2012年3月号より