第46回 国際福祉機器展 H.C.R.2019
2019年9月25日(水)~9月27日(金) 東京ビッグサイト
国際福祉機器展に行ってきた。
9月25(水)〜27日(金)までの3日間、東京ビッグサイトで開催された「国際福祉機器展」を取材してきた。どんな展示会かというと、身体に障害があったり介護が必要な人をサポートする様々な機器の展示会。今回で46回を数えるが、日本開催の同展示会は今やアジアで最大規模だそう。今年は日本を含め14か国1地域から438社(国内379社、海外59社)の出展社がブースを構え、自治体や公益団体などのブース内に参加している企業・団体も含めると、その数は500を超えたそう。
車椅子モデルとして活躍する日置有紀さん。18歳の頃、治療法のない脊椎の病気を発症して、頸から下の麻痺で車椅子生活に。それでも警察での適性検査に合格してクルマの免許を取得。現在はミクニライフ&オートで改造したクルマを使用しているそうだ。国際福祉機器展でのデモンストレーションがこちらの動画。車椅子から運転席への乗り込み、そして車椅子がルーフに設置されたオートボックスへ格納されるのが良く分かる。
日置有紀さんは、最近では車椅子アイドルとして活躍する仮面女子の猪狩ともかさんが主演する映画「リスタート:ランウェイ〜エピソード・ゼロ」にも出演。この映画を企画・製作する「心のバリアフリーを実現したい」との思いで2015年に設立された、バリアフリー・フィルム・パートナーズの共同代表も務めるている。
バリアフリー・フィルム・パートナーズ:http://barrierfree-film.org
ミクニライフ&オート:http://www.mikuni-la.jp
ミクニライフ&オートが提案するトラベルショッピングカート「exicart」。北欧ノルウェーのデザインと日本の設計技術がコラボレーションして生まれたそうだ。着脱式キャリーバッグとフレームの組み合わせで、旅する、歩く、座るを自在にサポートしてくれる。
ヤナセオートシステムズが提案しているのが、車椅子の自動収納装置。車椅子をリアトランクから運転席前まで運んでくれるロボットアームだ。福祉車両先進国イスラエルのTMN社が開発したロボットで、主にヨーロッパで2000台以上の装着実績があるそうだ。車種専用ではないので、車椅子を収納できるトランクがあれば、車種問わず取り付け可能だそう。アームの動きは車種にあわせてプログラムするそうで、車を乗り換えても再装着できるという。それにしてもこのロボットのメカニカルな動きは感動モノだ。
ヤナセオートシステムズ:https://www.yanase-autosystems.co.jp
車椅子から車の座席に乗り移る時にどうしても気になるのが、間に出来る隙間。その隙間を埋めてくれるのがサイドサポートだ。ベンツに装着されていたのは着脱式のタイプ。
福祉車両は、それこそ使う人によっていろいろな使い方がある。ほとんどワンオフの世界といっても過言ではないかも。そんなニーズに応えるべく、しかも出かけることが楽しくなるよう「もっと自由に車を選ぼう」を提唱するのがオフィス清水だ。展示されていたベンツは、よくよく見ると、リアドアがヒンジからスライド式に変更。イタリア・キヴィ製スライディングドアユニットを導入するとともに、Bピラー部にも同じくキヴィ製ピラーリフトを取り付けて、車椅子をリアに収納できるようにしている。
ベンツの助手席側に取り付けられていたのはスウェーデン・ブラウンアビリティ製の回転シート。このシートと同社のカロニークラシックを組み合わせることで、車内から車外へ、車椅子へ移乗することなく、シートに座ったまま乗り降りできる。オフィス清水のホームページには、こうした改造実例が豊富にアップされていて、とても参考になる。
オフィス清水:https://officeshimizu.jp
「つるべー」で検索すると「つるべー リフト」で一番に出てくるのがモリトー。同社は身体が不自由な人を吊り下げて移動する器具「つるべー」をはじめとする介護用品を提案している。在宅・施設向けのベッド用リフトや入浴・トイレ用リフト、病院・施設向けのリハビリ用リフトや歩行用リフト、そしてここで紹介する車用。車椅子からの移動等も自力では叶わない人をサポートする。
モリトー:http://www.moritoh.co.jp
会場内に蛍の光が流れる中、どうしても試してみたかったのがこのマッスルスーツエブリイ。働く現場での腰への負担軽減で生まれた「着る、筋肉。」だ。装着することで、しゃがみこみからの荷物の持ち上げを強力にサポート。閉館間際、ギリギリで間に合い実際に私も試してみたが、パワフルに荷物を持ち上げることが出来た。
イノフィス:https://innophys.jp/overview/
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部_FUMIAKI AKAMINE]