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日産・E52前期エルグランド(2010年8月〜2014年1月)|中古車選びに役立つ「当時モノ」新車試乗記


静かなキャビンとパワフルな走り キングの面目ここにあり


NISSAN/ELGRAND

日産/エルグランド(E52前期) 2010年8月フルモデルチェンジ



エルグランド E52 前期 2010 2011 2012 2013 中古 試乗 ノーマル

それだけ待たれていたということなのだろう。先に発表された新型エルグランドの受注状況によれば、発売からおよそ2週間で目標の5倍以上となる1万台オーバーという人気ぶり。


キング復権に向けて、まずは最高のスタートを切ったといえる。


そのルックス。試乗前にあらためて眺めて見ると、全高が95㎜も低くなったこともあり、先代の様な背の高さから来る大きさ感は薄れたものの、逆にワイド感&ボリューム感からくるドッシリとした存在感は先代を圧倒。


加えてフロントビューが醸し出す視覚的なパワー感は大幅に増した印象だ。試乗中、ルームミラーあるいはサイドミラーに迫る別の試乗車のフロントフェイスが発するインパクトはなかなかなものだった。


ひとつ気がかりだっのはアイポイントの高さ。この手のクルマの場合、どちらかといえば相手から見下ろされるのではなく、見下ろせる感覚を得たいもの。ところが新型は前記の通りボディ全高は低くなり、合わせてフロア高も大幅に下げられたため、必然的にアイポイントが低くなったからだ。



結果的にはまるで問題なし、というよりこれが絶妙。運転席シートのハイト調整(調整幅が大きく好みの高さに設定しやすい)により差はあるが、アイポイント自体はおよそ50㎜程しか下げられていない。


そのためドライバーが期待する視界の見通しの良さや適度な見下ろし感があると同時に腰高すぎず安定感が感じられるドラポジになっている。


最初に試乗した2・5ℓ直4モデル(250ハイウェイスター・7人乗り)は、2t弱のボディ重量をもてあますことのないパワー&トルクを確保。高速の追い越し加速などでモアパワーが欲しくなるシーンはあるものの、一般走行から高速巡航まで全域で不満はない。


ただ、加速時のエンジン回転数が3500rpm手前あたりから上になると予想以上にエンジン音が賑やかになり、音質もあまり嬉しいものではない。だが、一般路にしても高速道路にしても流れに乗って走行しているとタコメーターの示すエンジン回転数は3000rpmより上になることは少なく、郊外〜高速巡航では1500〜1800rpmあたりが常用域。直4ユニットのトルク特性とCVT制御のおかげで、結果的にはエンジン音が気になるようなシーンはそれほど多くない。


一方、3・5ℓV6モデル(350ハイウェイスタープレミアム)は、まさにキングの面目ここにあり。2・5ℓモデルよりも100㎏ほどかさむボディ重量を感じさせることなくパワフル。エンジン回転が高まってもキャビンはいたって静かだ。


多段ATのギアがあることによる加速時のメリハリ感を好むユーザーもいるはずだが、この3・5ℓV6+エクストロニックCVTによる低域から高域まで全域でのシームレスな加速フィールは予想以上に良好だ。


2・5ℓモデルと3・5ℓモデルとではボディ重量の違いからサスセッティングが異なり、乗り味にも違いがある。


取材車はどちらも標準の18インチタイヤ(ヨコハマ・デシベルE70)で、ハーシュネスの少なさやしなやかな足の動きなどは共通した美点。その上で3・5ℓは路面の当たりがよりマイルドで落ち着きと上質さで上回り、高速走行時の接地感もよりドッシリとした安定感がある。


逆に2・5ℓモデルはクルマの動きが軽快といっては少し語弊があるが、明らかに3・5ℓモデルよりも軽さがあり、タウンユースでは扱いがラクだ。5・7mという最小回転半径も効いている。


先代のFRからFFベースのDプラットホームになり、低重心化が図られたことは走り全般において多大な恩恵があるが、後席の乗り心地にしても同様。どのシートに座っても首や体が横に振られる感触が少なく、実に快適に乗車していられる。


しかも助手席と7人乗りの2列目シートはオットマンがつく贅沢ぶりを加えると、運転するよりも乗せて欲しいと思ってしまっても不思議ではない。


助手席オットマンの使用時に2列目シートにも乗員が居る場合、シートスライドの位置、互いの前後スペースを確保するのに少し難儀するかと思ったが、なんと助手席をかなり前まで出せるようになっている。


グローブボックスの裏側につま先が入るスペースが設けられ、足を組める空間も考慮されているのだ。また、2列目シートの中折れ機構はショールームなどで一度試してみることをぜひお勧めしたい。


とてもラクな姿勢で乗っていられるので長距離でも疲れにくいことは間違いない。3列目も秀逸でリクライニングに合わせて座面もずれるので姿勢を強制されにくい。後席まで含めてボディ、フロア周りからの騒音は見事に抑えられており、2、3列目に乗車中はむしろサイドウインドウからの進入音の方が気になってしまうほどキャビンの静粛性は高く、快適な移動空間を実現している。


上質でエモーショナルな雰囲気を醸し出すインテリアは、木目調パネルとクローム加飾がふんだんに奢られる。


7人乗り車には、3席同時に使用できるトリプルオットマンと中折れ機能付きセカンドシートを採用。


3列目シートは跳ね上げ式ではなく、6:4分割でシートバックを前倒しするフォールダウン式だ。


メーカーオプションのアラウンドビューモニターは6つの視点に切り替え可能。狭い場所での駐車等に威力を発揮する


電動開閉式11インチワイドモニターとBoseの5.1chサウンドシステムが、圧倒的迫力で、室内をミニシアターに変えてしまう。




3列目シートはラゲッジ両サイドのスイッチで格納・復帰が可能。またバックドアもドア下端に取り付けられたスイッチで自動的に閉めることができる。




※記事の内容、価格、スペック等は2010年8月のデビュー当時のものです。その後の一部改良等で変更になっている可能性もあります。


※スタイルワゴン2010年10月号より



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