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古き良きアメリカを体現。大きく豪奢な「キャデラック・エルドラド・コンバーチブル」とドイツの別荘地で邂逅


歴史的な猛暑だった2018年の夏。北半球全体がその傾向にあったようで、日本から遠く離れたドイツでも今年は異常な暑さが続きました。9月に入ってからも中旬まではまだ残暑が続いていましたが、下旬に入ってからは激変。ベルリンの日中の最高気温は15度に届かないくらい、最低気温は10度を下回るくらいになってしまいました。今回ご紹介するのは、9月のまだ暑さが少し残っていた時期に出会った1台。川沿いの別荘地にひっそりと停まっていた、豪奢なキャデラック・エルドラドです。


ドイツで意外なほど人気の「アメリカ車」



ドイツでは、伝統的に合理性や経済性、安全性といった機能面を重視したクルマが多く、富裕層向けのリムジンのようなクルマを除けば、豪華な装飾よりも虚飾を配したデザインが好まれてきました。メルセデス・ベンツのSクラスのような車両価格が高いクルマであっても、ドライバーが目にしたり直接手で触れたりする部分は、あくまで見やすく誤操作が起きないよう大きめのスイッチや配列にするなど、見た目の豪華さよりも機能的であるかどうかが重要なポイントだったのです。


そうしたドイツの機能的なクルマたちへのアンチテーゼでしょうか。ドイツのクラシックカーフェスティバルへ足を運ぶと、ドイツ車とはかけ離れた存在ともいうべき「古き良き時代のアメリカ車」を意外なほど数多く見かけます。むしろフェスのアイドル的存在である、と言い切っても良いでしょう。ドイツでは「古いアメリカ車のみ」が参加するクラシックカーフェスティバルが存在するほど、現在でも根強い人気があります。



長く、幅広く、重く、大排気量のV8気筒エンジンで、内外装ともにデザイン性が強く、そして経済性に乏しい。どれもドイツ車にはあまり見られない特徴を備えたアメリカ車は、ドイツの人々にとってある種の憧れの存在なのかもしれません。ちなみに、アンチテーゼはもともと「命題の反対」を意味するドイツ語で、die Antitheseと表記します。


搭載するのは8.2リッターV8



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