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アウディのデザインはどこへ向かうのか?デザインの変遷を考察してみた


2000年代中盤あたりから10年あまりで急激にそのブランド力を高めてきたアウディ。今やBMWとメルセデスベンツと互角もしくはそれ以上の人気を誇るほどになた。知的かつエレガントな雰囲気を醸し出すシンプルなデザインで、一時期もっとも美しいカーデザインではないか、と筆者に思わせたアウディであった。それが最近では新型を見かけるたび「?」が頭に浮かんでしまう自動車メーカーになってしまった。


アウディ・デザインの原点と進化




▲1968年にヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したRo80。凹凸が少なく当時としては空力に優れた未来的なデザインに前衛的なロータリーエンジンを搭載した

4社が合併して結成されたアウトウニオンとNSUが併合されて生み出されたアウディだが、そのエクステリアデザイン・フィロソフィーの原点は併合直前に発売されたNSUを冠した最後のモデル、Ro80にあった。


水平基調なキャラクターラインを描きながら適度にカーブした角や面に、ロングホイールベースの伸びやかなシルエットが優雅なそのモデルは、シンプルかつバランスのとれたディテールでタイムレスなデザインをまとったクルマであった。




▲第4世代目のアウディ80カブリオレ。25年以上前という古さをそれほど感じさせない、Ro80の特徴をうまく引き継いだデザイン

1980年代に四輪駆動システムのクワトロを乗用車用として開発してラリー参戦したりしていたアウディ。


1990年代には現在のモデルにも引き続かれている「A」から始まるネーミングでラインナップを整理、90年代後半にはラウンドしたモチーフを多用したTTやオールアルミボディを採用したA2(日本未発売)など個性的なモデルもラインナップしていたが、プレミアムブランドとしては他の欧州ライバルたちに比べてそこまで大きな存在ではなかった。



▲新しいデザインの方向性生み出した初代TT。丸みを帯びながらも水平基調のキャラクターラインにスッキリとしたディテールはきちんと受け継がれていた

プレミアムブランドとしての地位確立…シングルフレームグリルの登場



▲日本人カーデザイナーの和田智氏による3代目A6セダン。シングルフレームグリルで他のプレミアムブランドにも負けないアイデンティティをもたらした

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