今回、私が見に行くことに決めた1972年式ランチア・フルビア・クーペ・シリーズ2は、南イタリアの港町バーリの郊外にあった。私が住んでいるドイツ中西部の街からは、陸路で約1700キロ。
今回は、クルマを確認することが目的なので飛行機で行くことにした。ヨーロッパに住んでいると、格安航空会社のお世話になることが多い。今回は有名なアイルランドの会社、ライアンエアーを使い、たった15ユーロ(日本円換算で約2000円)でオランダのマーストリヒト空港からバーリ国際空港に移動することができた。ただし、安い故にローカル空港発着だったり、時間帯は不便な場合が多く、今回のバーリ着は深夜だった。
物々しい警備体制のバーリ空港
バーリに行ったことがある人にはわかると思うが、お世辞にも治安が良さそうとは言えない街だ。ちょうど日本から麻生財務大臣も参加したG7の会期中ということもあり、空港から街までの道路は至るところで軍警察が検問を行っていた。
翌日、空港でレンタカーを借りて売り物のフルビアがある内陸の街に移動。指定された待ち合わせ場所には、ブローカーのおじいさんがボロボロの初代スマートで現れた。クルマが置いてあるという場所に向かうと、ガレージというよりは大きな屋敷の1室がクルマ置き場になっている場所であった。そこには大理石のタイルの上に鎮座した多数のクラシックカーの中に、美しいメンドーサブルーのフルビア・クーペがいた。
ついにフルビアとご対面!
はやる気持ちを落ち着かせ、各部を隅々まで点検させてもらう。