
岩手県の地方紙「岩手日報」は10日の紙面に、「クマによる配達員の安全確保について」という自社広告を載せた。クマの出没状況によっては配達を見合わせることもあるとしており、クマに関する自社広告は「過去に例はない」(同社販売局)という。
この自社広告は、北上市で4日に発生したツキノワグマによる住民の死亡事案を受けて掲載を決めた。「新聞配達スタッフの安全を確保するため」として、▽クマよけの鈴を装着する▽配達が遅れる▽配達を見合わせる――などの措置を説明。県内のクマの出没情報がまとまったウェブサイトや紙面のデジタル版が読める2次元コードも載せた。同様のチラシを9日、住民が死亡した現場近くで配布したという。
近年、岩手を含む東北各県でクマの目撃情報が相次いでおり、新聞配達中に襲われる例もある。今回の自社広告は、クマに配達員が襲われた秋田県の地方紙「秋田魁新報」が配布したチラシを参考にしているという。同社販売局の担当者は「幸いなことに岩手ではこれまでなかったが、いつクマに配達員が襲われてもおかしくない状況だ。バイクや自動車で配達するなど対策もしているが、読者に事前に対応を周知しておくため、本紙に掲載した」と話している。【佐藤岳幸】

