独自動車大手のBMWグループは24日、中国の提携先である華晨中国汽車(Brilliance)と共同で、瀋陽に電池工場「ハイ・ボルテージ・バッテリー・センター」を開設した。同工場で生産した電池は、BMWと華晨中国汽車の合弁会社BMWブリリアンス・オートモーティブ(BBA)が運営する大東区(Dadong)工場に供給する。大東区工場では今後、中国市場向けにBMW「5シリーズ」のプラグインハイブリッド車を生産する予定。
BMWは現在、世界の10工場で電気駆動車を生産している。電池はこれまで、ドイツのディンゴルフィング工場と米国のスパータンバーグ工場から供給していた。瀋陽の電池工場の開設により、BMWグループの電池の生産拠点は世界3カ所に増えた。
BMWによると、同社の電池の生産工程は2段階に分かれている。第1段階では、外部から調達した電池セルをバッテリーモジュールに組み立てる。その後、第2段階では、バッテリーモジュールを接続部品や制御装置、冷却装置などと共にアルミ製ハウジングに組み込み、「バッテリーパック」を生産する。第2段階では、モデルのバリエーションに応じて、モジュールの数や、ハウジングの大きさ・形状を変えることができる。
■電気駆動車の割合、25年に15~25%を予想
BMWは中国では合弁会社のBBAを通して、瀋陽の大東区(Dadong)と鉄西区(Tiexi)に工場を持つほか、軽金属の鋳造加工ができるエンジン工場を持つ。瀋陽にあるこれらの生産拠点に新たに電池工場が加わった。
また、BMWは、2025年にはBMWと傘下の小型車ブランドMINIの世界販売台数のうち電気駆動車が全体の15~25%を占めると見込んでいる。このため、従来の生産工程で電気駆動車も生産できる体制を整備している。
[提供元/FBC Business Consulting GmbH]