ざっくり、こんな内容
- ユタカライナー15号のおすすめポイント
- 東京→大阪梅田へ! ユタカライナーの乗車体験記
- 道中の混雑状況をレポート
2018年、お盆の帰省ラッシュピークの日と言われていた8月11日(土)。関西在住の友人に会いに、東京駅からユタカライナー15号関西行きに乗車しました。
ここでは、同便を選んだ理由から、車内設備や運行ルート、道中の混雑状況等をレポートします。
「女性あんしん」システムと車内トイレが決め手
ユタカ交通が運行するユタカライナー15号は、東京駅八重洲南口の鍛冶屋橋駐車場を出発した後、池袋サンシャインバスターミナルを経由し、大阪や神戸に向かう夜行高速バスです。
同様のルートで東京から関西方面に向かうユタカライナーは1日8便(11・13・15・17・19・21・23・27号)ありますが、今回はその中から15号を選びました。
まず、数ある高速バスの中でユタカライナーを選んだ理由は、女性一人で乗車する場合、隣の席が同性になる「女性あんしん」システムがあるからです。
激しい渋滞が予想される帰省ラッシュの車内では、化粧を落としてすっぴんでリラックスしたいので、異性の目につきにくいのはうれしいポイントです。
また、今回乗車した15号と、11号・13号には客席にACコンセント口があります。
渋滞で到着時間が読めない場合、目的地で待っている友人と密に連絡を取り合ったり、ネットでの情報収集やゲームなどで時間潰しをする事もあるので、スマホの充電ができるのはありがたい!
そして、15号を選んだ一番のわけは、車内にトイレがあるから。
渋滞するとトイレ休憩の間隔が長くなったり、サービスエリアでも女性用トイレが長蛇の列! ということはよくあります。車内にトイレがあれば精神的にとても楽です。
東京から関西行きのユタカライナー全8便のうち、トイレがあるのは15号だけです。
では、気になる車内設備について紹介します。
シンプルながらも利便性が高い車内設備
ユタカ交通が運行する夜行バス、ユタカライナー15号は東京駅八重洲南口の鍛冶屋橋駐車場を出発した後、池袋サンシャインバスターミナルを経由し、大阪や神戸に向かいます。
まずは座席の配置について。通路を挟んで左右2人がけとなっています。
座席はバス後方に向かって11列。1列目の運転席後部2席はドライバーの休憩スペース(上の写真前方の左側)で、右側の2席は客席です。2~9列までは4人がけですが、最後方の10・11列にあたる列のスペースがトイレ(上の写真後方の右側)になっています。
座席は非常にシンプルな印象を受けました。
ヘッドレスト部分は固めで高さ調節機能がないので、首が固定できるエアクッションなどを持参すると良いでしょう。エアコンが効きすぎているときにうれしいブランケットは、シートに用意されています。
窓には遮光カーテンがかかっており、しっかりスナップボタンで留めるようになっているので明かり漏れしにくくなっています。
運転席と客席を仕切るカーテンもありますので、前方の席の方でもフロントガラスからの光を気にせず休めますよ! 遮光性は非常に高いと感じました。
ACコンセント口は窓際の足元の壁に。通路側には座席の肘掛け下に1つずつ設置してあります。必要な方は、USBケーブル・USBプラグなどを持参しましょう。
座席にテーブルはついていませんが、ドリンクホルダーとネット状の小物入れがあります。
小物入れには乗車中の注意事項を記載した用紙と、エチケット袋が入っています。
足元にフットレスト・レッグレストはありませんが、前の席下スペースに足を伸ばせるので長距離移動でも無理なく座れます。
トイレは席最後列に設置されており、コンパクトな造りですが手洗いスペースもあります。渋滞が予測される長距離移動では、車内にトイレがあるといざという時の安心感が違いますね。
高速バス発着の要所・東京駅八重洲南口鍛冶橋駐車場
ユタカライナーは、東京駅八重洲南口から有楽町方面に5分ほど歩いた丸の内交差点の一角、鍛冶橋駐車場から出発します。ここは都内から各方面に向かう長距離バスがひっきりなしに出入りする、交通の要です。
鍛治橋駐車場の待合所は室内と表の2カ所ありますが、室内の待合室は人と荷物でごったがえしており、クーラーの効きが良くなかった様子。うちわで涼を取る方が何人もいらっしゃいました。
外の待合スペースも、地方に向かう乗客でごったがえしています。
待合所の電光掲示板を確認すると、私が乗車する21:50発の時間帯のバスは5本ありました。
続いて22:00発のバスが9本、22:10には7本と、10分おきに何本ものバスが1カ所から発着する事になります。1本のバスに40人が乗車できるとすると、大雑把に見ても200人以上がバスを待っている計算です。
バスが入庫するとアナウンスが流れ、電光掲示板にプラットフォームの番号が表示された順に、乗り場へ向かう方式です。出発時間の15分前にはバスが到着しますので、時間に余裕をもってバス停に向かうことをおすすめします。
関西に向けていざ出発! 乗降地、タイムテーブル、混雑状況は?
ユタカライナー15号の運行スケジュールは以下のようになっていますが、お盆の帰省ラッシュのピークで激しい渋滞が予測されます。必ずしもこの時間通りにはいかないだろう、と思いながらバスに乗車しました。
▼東京駅鍛冶橋駐車場 21:50発
▼池袋サンシャインシティ文化会館 22:30発
▼千里中央 5:40着
▼ 大阪梅田 6:00着
▼ なんばHatch 6:30着
神戸三宮 7:30着
21:50 ユタカライナー15号は定刻通りに鍛冶橋駐車場を出発しました。ここから池袋サンシャインターミナルに向かいます。
22:30 池袋サンシャインターミナルは出発。アナウンスが流れ、約2時間おきにトイレ休憩がある旨が伝えられます。座席に設置されているコンセントは池袋出発後に通電し、スマホを充電できるようになりました(ただしパソコン、DVD機器、ゲーム機器の使用は不可)。
インターネットで同日のユタカライナーの乗客の混み具合を確認すると、15号だけではなく他の東京発関西行きも満席で受付終了となっていました。ですが、乗車した15号はキャンセルがあったのか、38人乗りのところ37人で出発です!
バスの6~9列は一人で乗車する女性の隣が同性となる、「女性あんしん」システムの席だったのか、女性ばかり20名が着席していました。他はカップルやご家族連れで、比較的女性客の割合が高いようでした。
22:45 完全消灯は池袋を出て間もなくでした。完全消灯後は前方のデジタル時計と席上部の誘導灯が点灯しているのみで、ほぼ真っ暗。「完全消灯後はスマホの使用も控えてください」とのことです。
車内で読書やPC仕事をしたい方も、ここは翌日に備えて潔く寝てしまいましょう!
0:15 車内が明るくなり、NEOPASA沼津駿河湾で1回目のトイレ休憩です。ここまで非常にスムーズで、東名高速道路下り線の沼津周辺は渋滞なし。サービスエリアで渋滞状況を確認すると、名古屋ICまで順調とのこと。
休憩時間は、きっかり15分です。出発時間に遅れないよう気を付けましょう!
サービスエリア内では深夜でもミニストップとレストラン1軒、お土産屋や産地直送野菜売り場が営業していました。レストランは約20名が食事をしているのみで、お土産屋や渋滞時に混みがちな女性用トイレは利用もまばらでした。
0:30 時間となり、次の目的地に向けて出発します。
2:30 NEOPASA岡崎で2回目のトイレ休憩です。サービスエリアでは、なるべくトイレから近く、バスが見えやすい場所に停車してくださる心づかいがうれしかったです。
サービスエリア内の渋滞情報によると、ところどころ故障車や落下物の表示は出ているものの、渋滞は発生していない様子。
これは予想よりスムーズに関西まで行けるかも? と期待が高まります。
NEOPASA岡崎の施設にはそれなりに人がいましたが、コンビニのレジが長蛇の列になったり、トイレが満室になるといったこともなく、むしろ空いているほうでした。
道路の空き具合に反して、駐車場には多くの車が停車しているのが不思議です。
2:45 時間通りに出発し、次の目的地に向かいます。
4:45 東の空が白み始めるころ、PAVARIE(パヴァリエ)びわ湖大津に到着しました。トイレ休憩はこのサービスエリアが最後です。
ここに来て初めて「阪神高速神戸線 下り 摩耶 交通集中による渋滞1km 」という渋滞情報が入ってきました。
ですが、降車地である大阪梅田までは、突発的な交通事故などがなければ定刻通りに到着しそうです。
PAVARIEびわ湖大津では3階の展望デッキから琵琶湖が眺められます。
3階デッキに上がってみると、サービスエリア内の駐車場がほぼ満車になっていました。こちらで車中泊や車内仮眠をとる方がたくさんいらっしゃるようですね。
5:00 定刻で出発し、いよいよ最初の降車地、千里中央に向かいます!
5:35 予定より5分早く、千里中央に到着しました。
5:57 予定より3分早く、次の降車地・梅田プラザモータープールに到着しました。
移動中は終始遮光カーテンに覆われ、窓の外を確認する機会はありませんでしたが、最後まで渋滞に捕まることもなく、ほぼタイムテーブル通りの運行となりました。
ここから梅田駅までは徒歩で約10分です。
まとめ
結果的に、お盆の渋滞シーズンにも関わらず想像していたほどの激しい渋滞はなく、むしろ予定より少々早めに目的地に到着できました。
NAVITIMEを利用して、各行程の予測所要時間と距離を割り出してみると、ほぼ時間通りにスムーズに走行していたことがわかります。
東京鍛冶橋駐車場 21:50発(10.0km、予測所要時間/17分)
池袋サンシャインバスターミナル 22:15着
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池袋サンシャインバスターミナル 22:30発(129.6km、予測所要時間/1時間40分)
NEOPASA沼津 0:30着
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NEOPASA沼津 0:45発(193.0km、予測所要時間/2時間19分)
NEOPASA岡崎 2:30着
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NEOPASA岡崎 2:45発(148.1km、予測所要時間/1時間53分)
PAVARIEびわ湖大津 4:45着
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PAVARIEびわ湖大津 5:00発(46.7km、予測所要時間/44分)
千里中央 5:40着
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千里中央 5:45発(12.4km、予測所要時間/24分)
大阪梅田プラザモータープール 5:57着
NEXCO東日本によると、お盆の渋滞混雑を予測し、2018年のお盆期間の休日割引対象日を8月11日(土・祝)と12日(日) から、比較的渋滞回数の少ない8月9日(木)と10日(金)に変更したそうです。この渋滞緩和の試みが功を奏したのかもしれません。
NEXCO東日本「平成30年お盆期間における高速道路の分散利用を図るための休日割引適用日変更について」
来年も同様の取り組みがあるかは不明ですが、高速バスを選ぶ際にこうした情報も知っておくと少しでも渋滞を回避でき、時間を有効に使えるかもしれません。
座席はシンプルであるものの、トイレやコンセント付で長距離移動に便利なユタカライナー15号。東京から関西方面に移動する際の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか?
(為平千寿香)