ざっくり、こんなバス
- 高速バスの運行で実績のあるバス会社が運行!
- 隣の人が気にならない! 3列独立シート
- 座席コンセントから通路カーテンまで、充実の車内設備
- バスタ新宿~神戸三宮間を約7時間半で結ぶ!
乗車記の運行ダイヤと2020年7月7日時点の運行ダイヤは異なります。
現在の運行ダイヤは、以下でご確認ください。
毎日50本以上の高速バスが運行されている東京~神戸間。安さで勝負するバスから、豪華さで勝負するバス、所要時間で勝負するバスまで、数多くの高速バスが運行されています。
その中から、今回は京王バス東が運行する新宿~神戸姫路線「プリンセスロード号」をご紹介。高速バスの運行で実績のあるバス会社の安心感と、充実した車内設備が売りの夜行バスです。
乗車してみた様子や感想をレポートします!
旅の始まりは日本最大級のバスターミナル「バスタ新宿」!
神戸三宮・姫路行き「プリンセスロード」は、新宿駅南口に位置する日本最大級のバスターミナル「バスタ新宿」から発車します。
バスタ新宿へのアクセス方法は、こちらの記事が参考になります。
バスタ新宿徹底ガイド!新宿南口の日本最大のバスターミナルをフロアマップ付きで紹介
これで迷わない! 都営新宿線・大江戸線、京王線「新宿駅」~「バスタ新宿」間を最短でたどり着くための行き方は?
夜行バスの発車時間帯になると、待合室は混雑します。
待合室内にはコンビニもありますが、非常に混雑しますので、飲食物は周辺のコンビニなどで事前に購入しておくことをおすすめします。
神戸三宮・姫路行き「プリンセスロード」はD10のりばから発車。繁忙期にはのりばが変わることもありますので、乗車前に必ず案内放送と案内表示は確認しておきましょう。
定刻22:30の10分前にはバスがのりばに着けられ、乗車改札が始まります。
新宿~神戸姫路線「プリンセスロード」は、京王バス東と神姫バスの共同運行路線。2社とも高速バスの運行では実績があり、安心して利用できます。
今回私が乗車したのは、京王バス東の車両。50年以上の歴史を誇る「中央高速バス」や、静岡・名古屋・大阪方面への路線も運行する、高速バス会社の中では老舗中の老舗です。
ゆったりな3列独立シート! 夜行バスで必要な装備はすべて揃う
では、早速乗車してみましょう。
車内は、幅広で座り心地の良い3列シートが並びます。最後部まで一人掛けになっているのも特長のひとつです。
シートは可動式枕・レッグレスト・フットレスト(足置き台)を装備。写真はありませんが、リクライニングの角度も深く、ゆったりと休むことができます。
もちろん、各座席にはコンセントも完備。携帯電話やスマートフォンの充電に便利です。
また、窓側座席には通路を仕切るカーテンも装備。周りを気にする方にはうれしい装備です。
そして、車内中央部にはトイレも完備。サービスエリアでの休憩停車はありますが、万が一という時に嬉しい設備です。
アメニティも充実しています。各座席にはブランケットが備えられているほか、シートポケットには紙おしぼりとスリッパが入っています。
残念ながらWi-Fiサービスは提供されていませんが、夜行バスに必要な装備は全て揃っており、3列独立シートの夜行バスの中でもグレードが高い印象を受けました。
30代~40代を中心にほぼ満席の車内
定刻22:30にバスタ新宿を発車したバスは、山手通りなどを経由して渋谷マークシティへと向かいます。こちらで10名弱の乗客を乗せ、ほぼ満席になったバスは定刻23:00に渋谷マークシティを発車します。
車内を見回してみると、30代~40の乗客が目立ちます。とかく夜行バスといえば、若者が利用する乗り物というイメージが強いですが、このバスに関しては車内設備とバス会社の知名度(安心感)で選ばれているのかなあという印象。
発車後、交代乗務員からの案内放送のあとに、自動放送にて各種案内が行なわれます。過不足ない的確な案内に好感が持てます。
23:15頃に車内は減光。その頃、バスは東京インターから東名高速道路に入り、この先は名神高速西宮出口まで高速道路をひた走ります。
途中の休憩は2カ所! 朝はバスターミナルで休憩
このバス便では途中2か所で休憩時間が設けられています。
1カ所目の休憩場所は、神奈川県の海老名サービスエリア。こちらでは23:40から10分程停車しました。
この時間帯の海老名サービスエリアは、各方面へ向かう夜行バスで駐車場は大混雑。気をつけないと違うバスに乗ってしまいがちです。
ですがご安心を。このバスは、休憩時にバス前面部が写った休憩札を乗務員が渡してくれます。
ナンバープレートの番号と車番が入っており、これら番号を頼りにすれば、間違いなくバスに戻ってくることができます。バスに戻った際に乗務員が休憩札を回収しますので、紛失しないようにしましょう。
なお、休憩札はストラップ付きのカードホルダーに入っているので、首にかければ紛失することもありません。(少々恥ずかしいですが…。)
2カ所目の休憩場所は、最初の到着地である神姫バス神戸三宮バスターミナル。こちらでは降車扱い(半数近くが下車)と同時に5:55から10分間停車しました。
夜行バスといえば、高速道路のサービスエリア・パーキングエリア、道の駅で休憩をとるのが一般的です。バスターミナルで休憩する夜行バスはむしろ珍しく、逆に新鮮に映りました。
日中時間帯は混雑するバスターミナル待合室も、さすがにこの時間帯は閑散としていました。
6:05に神姫バス神戸三宮バスターミナルを発車したバスは、阪神高速3号線から加古川バイパスへ。
7:09に加古川駅で数名乗客を降ろし、渋滞気味の姫路バイパスを通過したバスは、定刻8:00に終点の姫路駅に到着しました。
バスを降りて乗務員から荷物を受け取り、JR姫路駅2階の眺望デッキへ行ってみると……
遠くに姫路城が見えます。神姫バスの路線バスが行き交う日常の光景と背後の姫路城……しばらくたたずんでいたいと思わせる、おすすめスポットです。
3列シートで東京~神戸間最安6,600円はお得!
東京~神戸間の高速バスの場合、シートや車内設備などにより異なりますが、「夜行バス比較なび」調べでは片道運賃が2,000~14,500円と様々です。(※2020年7月時点)
そんな中、新宿~神戸姫路線「プリンセスロード」は、東京~神戸間が片道7,410~10,350円、東京~姫路間が片道7,980~10,920円となっています。
新幹線「のぞみ」の東京~新神戸間の片道が14,420円(普通運賃+新幹線特急料金)、東京~姫路間の片道が15,400円(普通運賃+新幹線特急料金)ですので、充実した車内設備の3列独立シート車で新幹線の約6割以下の運賃で移動できることを考えると、コストパフォーマンスはそれなりに高いといえるでしょう。
とはいえ、週末や繁忙期は混み合いますので、利用する際は早めのご予約をおすすめします。
バス便の詳細
まとめ
今回は新宿から姫路まで利用しましたが、平日に利用したのにくわえ、事前購入割引の適用により片道7,400円で移動できました。
バス自体も、ゆったりとしたシートと充実した車内設備のおかげで、道中ぐっすり眠ることができました。
シートのリクライニング角度もかなり深く、後ろの座席に乗客がいなければ、かなり楽な姿勢で眠れるでしょう。
通路カーテンや座席コンセントなど車内設備やアメニティも充実しており、3列シートの夜行バスに必要なサービスはすべて揃ったバスであるといえます。
東京~神戸間を約7時間半という所要時間も見逃せません。他社路線は京都や大阪を経由する便が多く、その分時間がかかってしまいますが、この路線は東京から神戸へ直行しますので、できるだけ早く移動したいという方にもおすすめ。
・多少高くてもいいので、ゆったり寝ながら移動したい
・東京~神戸間を夜行で早く移動したい
という方には最適なバスではないでしょうか。
※取材協力/京王バス東
(須田浩司)