高速バスや運転士さんに関する素朴な疑問を解消!
今回のテーマは「高速バスの車内アナウンスは自動音声の後に、なぜまた運転士さんが同じ内容をしゃべるの?」です。
高速バスマーケティング研究所・代表取締役 成定竜一さんに聞いてみました。
Q.車内アナウンスは自動音声の後に、なぜまた運転士さんがしゃべるの?(運転に集中してほしいという声も…)
高速バスでの車内アナウンス。自動音声の後に、同じような内容を繰り返し運転士さんが話しているのを不思議に思ったことはありませんか?
話す内容は各バス会社で決められているのでしょうか? 自動音声だけでも問題ないような気もしますが…。
A.重要な内容は積極的にマイクでアナウンスすべきだと思います。
当時は、乗客と一言もしゃべらないような人もいましたね。でも、全国的にバス運転士の接客改善が進む中で、バス会社でもマイクアナウンスをするよう指導されています。
放送マニュアル(話す内容)については、会社でしっかり決めている会社と、運転士に任せている会社があります。
ほとんどの会社では運転士がインカムマイクを装着していますし、放送のスイッチも手元(運転席右側)にあるので、放送したから運転に集中できず危険、ということはないと思います。
個人的には、アナウンスを通して「変な運転士ではない」「きちんと安全運転に注力します」と乗客に約束することは重要だと考えますし、自己紹介はすべきだと思いますね。
一方、「自動音声と同じ内容を繰り返すのは無駄でうるさい」という意見もわからなくはないので、バス会社によっては放送の内容を見直すべきだとも思います。
例えば、自動音声の内容は路線ごとに決まっているので「このバスは〇〇行きです。途中、〇〇に止まります。所要時間は〇時間ほどを予定しています」という放送は自動で入れられます。
しかし、「到着予定時刻は〇時です」のように時刻を自動音声にしようとすると手間とコストが増えてしまいます。(同じ路線で何往復もある場合は便ごとに放送データを用意しないといけませんし、ダイヤ改正の度に修正しないといけないため)
到着時刻のように便によって内容が異なる場合や、シートベルト着用のお願いなど重要な項目、道路状況(「現在のところ渋滞はありません」など)については、積極的にマイクでアナウンスすべきだと思いますね。
自動音声だとどうしても印象に残りづらく、聞き逃してしまう場合もありますから。