ざっくり、こんな乗車記
- 3列独立シート「ユタカライナー」の車体・シートの特徴
- 関西からの乗り場案内
- 京都から福岡・博多までの快適乗車記
ユタカライナーは、関西から九州に向けて毎日13便が運行されています。その内の5便は福岡行き、そのほかの5便は佐賀行き、残る3便は長崎です。
同じく福岡へ向かう便であっても、リーズナブルな4列シートの車両から快適な3列独立シートの車両までが運行されているので、選択肢が多いことがユタカライナーの魅了のひとつです。
今回の取材では、京都駅を出発し大阪・神戸三宮を経由して、博多へと向かう「関西〜九州3号車(福岡)」に乗車してきました。
ユタカ交通「ユタカライナー」の3列独立シートはこんなバス
精悍(せいたん)な顔つきのユタカライナーのフロント部には、筆記体で「Yutaka Liner」と書かれています。
座席は3列独立シートを採用。隣座席との間隔もしっかり確保されて中央座席でも窮屈さを感じません。
窓側独立シートは、カーテンを閉めればプライベートな空間が確保されて、周囲を意識することなく朝をむかえられます。
カーテンは2列座席にも用意されています。隣座席との境に余裕があるのでこちらのシートでもプライベート空間が確保されます。
シートのリクライニング角度は公開されていませんが、ひと晩車内で過ごすのも苦にならないくらいの快適さを備えています。
座席の快適性にひと役かっているのはレッグ&フットレストのコンビネーション。ヘッドレストからフットレストまでが、まるでひとつのベッドのようにシームレスに繋がり、全身のフィット感がさらに増します。
フットレストは縦横ワイド仕様で足の置き位置に余裕があるうえ、下には脱いだ靴が収まる空間があるので足元がスッキリします。
夜行高速バスに慣れたベテラン旅行者のなかには、「トイレはなくても大丈夫」という人もいますが、初心者にとってトイレはやっぱり安心の設備です。
各座席の前ポケットにはアイマスクが用意されています、消灯時間より早く休みたいという人に嬉しいサービスです。
夜行高速バスに乗車して気になるのはスマートフォンの電源確保。モバイルバッテリーを持ち歩く旅行者も少なくありませんが、できればバッテリーの充電残量を減らさずにスマホが充電できることが理想です。
ユタカライナーの関西〜九州3号車・1号車には、USB充電端子が付いているのでACアダプターは必要ありません。うっかりACアダプターを忘れて出かけても安心です。
知らなければ気付かずに朝をむかえてしまいそうな、アームレスト収納型のサイドテーブル。消灯までの時間、充電中のスマートフォンを置いたり、読書中の本をちょっと置いたりするのにとても重宝します。
関西→九州(博多・小倉)ユタカライナーの乗り場案内
関西~博多・小倉を運行するユタカライナーの関西主要都市の乗り場はこちら。
1)京都駅八条口観光バス乗車場
停留所の正式名称は「京都駅八条口観光バス乗降場」(アバンティ前駐車場)。
京都駅には京都タワーがある烏丸口(からすまぐち)側と、新幹線改札に近い八条口(はちじょうぐち)側に大きなバス乗り場がありますが、ユタカライナーは京都駅南側の八条口近くにある「アバンティ前駐車場」からの乗車になります。
京都駅はとても大きな駅なので迷ってしまう人も少なくありません。まずは八条口(新幹線口)側へ出て、商業施設「京都AVANTI(アバンティ)」を目印に乗り場へ向かってください。
道路を挟んだ向かい側にあるアバンティ前駐車場からバスは出発します。
2)プラザモータープール
大阪駅(梅田)にもたくさんの高速バスの乗り場が存在します。そのなかでもユタカライナーに乗車できるのは、プラザモータープール(大阪梅田)。
JR線・阪急阪神電鉄・大阪メトロ(地下鉄)の各駅から少々距離があるので時間には余裕を持って行くことをオススメします。
3)なんばHatch
今回乗車した3号車は経由しませんでしたが、他の便では大阪・難波の有名なバスターミナル「なんばHatch」からもユタカライナーに乗車できます。周辺には、飲食店やコンビニなどが充実しています。
4)神戸三宮駅西口(PMPTビル2階待合所)
乗車の際は神戸三宮駅西口にあるPMPTビル2階待合所へ。
梅田プラザモータープールと同様に、バスの発車にあわせて係の人がバス乗り場まで案内してくれるので安心です。
休憩ポイントはどこ? 京都から博多までの乗車記
バス乗り場にユタカライナーが到着しました。白い車体が視界に入った瞬間、緊張と興奮の入り交じった不思議な気持ちになります。何度も夜行高速バスに乗車してきましたが、旅が始まる瞬間が1番ドキドキします。
ユタカライナーは、定刻21:00に出発。京都駅から6人の乗客を乗せて、一路大阪へ向かいます。
プラザモータープールは、数多くの高速バスが出発するターミナルです。乗車に際しては、安全を確認したのちに係員がバスまで案内してくれるので、どのバスに乗車すればいいのか迷う心配はありません。
22:00、こちらも定刻通りの出発。座席のほとんどはここ大阪・梅田から乗車したお客さんでうまりました。
23:00。神戸三宮で最後の乗客を乗せ満席になったユタカライナーは九州へむけて出発。車内の混み具合から、関西と九州をむすぶ人気路線だということがわかります。
神戸三宮を出発したあと、23:15に消灯した車内が再び明るくなりました。
時刻は23:35、最初の休憩カ所である三木サービスエリア(兵庫県三木市)に到着です。
休憩時間は約20分。発車時刻は運転席横の時計ボードに掲示されます。
この時間はまだ起きている人が多く、トイレやドリンクを購入するためにほとんどの人がバスを降りていました。
この日、中央座席に乗車していた私は、隣の人が起きなければこのまま博多までぐっすり眠っていたのでは? と思えるほど深い眠りに落ちていました。背当てシートの堅さとヘッドレストのクッションのバランスが心地よかったせいでしょう。
4:15に到着した、美東パーキングエリア(山口県美弥市)では歯ブラシを握りしめて洗面所へ。朝の身支度を整えることができました。
美東パーキングエリアを出発したユタカライナーは、定刻より少し早い6:10(定刻は6:15)に福岡・博多駅に到着しました。
まとめ
「ユタカライナー関西〜九州3号車(福岡)」は関西主要都市を経由して、九州の玄関博多駅までを結ぶ高速夜行バス。福岡での1日をフルに活用できる到着時刻も魅力的です。
この日は、平日とあってビジネスユースの利用客が多いように感じましたが、週末や観光シーズンには旅行目的で利用するにも便利な定期路線と言えるでしょう。
また関西〜九州路線には3列独立シートから4列エコノミーまで用意されているので、ニーズや予算に応じて選択できることも見逃せません。九州方面の旅行を計画しているあなたの選択候補に加えて欲しい夜行高速バスです。
(出雲義和)