国内初となる第1回「女性バス運転手の会」が表参道で開催!
一般社団法人女性バス運転手協会が、第1回目となる「女性バス運転手の会」を2018年3月28日(水)に開催した。この催しは、現役の女性バス運転手や運転手を目指す女性たちの交流を目的としたもの。
会場である「hanami 表参道」2Fに集まった女性は33名。関東で活躍する24名のほか、宮城県・静岡県・富山県・大阪府・奈良県など他府県からも9名が参加した。
この記事では、イベントでおこなわれた5名の現役女性バス運転手によるトークセッションの内容をご紹介する。
女性バス運転手5名によるトークセッション
参加した女性バス運転手は以下の5名。
左から、きみえさん(京王バス南)・あゆみさん(東京空港交通)・りえさん(大新東)・あきこさん(日立自動車交通)・さとみさん(羽田京急バス)。
ここからは、トークセッションの内容を一部抜粋してお伝えする。
Q.どのようなバスで運転手をされてるのですか?
きみえさん:
多摩エリアや八王子エリアの路線バス、成田空港や羽田空港と都内各地をむすぶ高速路線バス、東京と観光地をむすぶ高速バスなどを運転しています。多摩エリア・八王子エリアの路線バスは、23区内の路線バスと比べ道幅が広く運転はしやすいのですが、その反面、運行ルートが長いのが特徴です。
さとみさん:
羽田空港内を周回する連絡バスを運転しています。私が所属する羽田京急バスは、約3年前から女性運転手を積極的に採用しはじめました。私は、その第1期として入社したわけです。
運転手経験のない女性の多くは空港内の連絡バスを担当していますが、なかには連絡バスで経験を積み路線バスやリムジンバスに配属された女性運転手もいます。
歩行者や他の車もいるため、公道を走るバスの運転にはより高い技術と経験が求められます。
Q.運転手になったきっかけを教えてください
あゆみさん:
バス運転手になる前は、羽田空港の高速バス乗り場でポーターをしていました。お客様のチケットを確認したり、荷物をお預かりするのが主な職務です。ポーターとして働くうち、バス運転手という職業に憧れるようになりました。それが運転手になったきっかけです。
当時、羽田空港便を運行する東京航空交通は女性を採用していませんでしたが、絶対に私が女性運転手の第一号になるんだと心に決めていました。
その夢が叶い、現在は乗客を空港から飛行機までお連れする羽田空港のランプバスを運転しています。
りえさん:
私は、観光施設と宿泊施設を往復するバスを運転しています。運転手になったきっかけは、クリスマスのデコレーションを施した、弊社のバスを見かけたことです。
かつてツアーコンダクターをしていたこともあり、以前からバス運転手に漠然とした憧れを抱いていましたが、かわいくデコレーションされたあのバスを見て心をうばわれました。女性運転手さんが着ていた制服がかわいかったことも、憧れを抱いた大きな理由です。
Q.職場環境について教えてください
きみえさん:
私が所属する京王バス南・南大沢営業所には、約170名(うち女性は6名)の運転手が在籍しています。女性の比率は高くありませんが、嬉しいことに一昨年、女性専用の更衣室をつくっていただきました。
新設するにあたり、女性メンバーの意見を積極的に反映していただけたことも嬉しいポイントです。ピンクと白を基調にした更衣室には、仮眠用の2段ベットやキッチン、トイレ、洗面台、シャワー室があります。
あきこさん:
東京都内に5つあるコミュニティバスチームのひとつに所属し、千代田区と中央区を走るコミュニティバスを運転しています。チームには、20〜60代まで幅広い年齢の運転手が在籍しています。
朝7時に営業所で点呼をとったあと、運転手はそれぞれのルートへとバスを走らせます。休憩は、千代田区役所の一室でとっています。
参加者交流会でお互いの目標や悩みを共有
トークセッション後におこなわれた交流会では、参加者たちが6つのテーブルにわかれて座り、スイーツを楽しみながらお互いの目標や悩みを共有した。
男性の多い職場であるため、なかなか同性の運転手と話す機会がないという人も多く、積極的に意見を交わしていた。
トークセッションでは、「女性運転手を増やすために必要な取り組みは?」という質問に対して、「パートタイマーのように午前中だけの勤務など、ひとりひとりにあわせた柔軟な雇用体制」「女性が意見を言いやすい環境」といった意見が出され、会場から共感の声があがる場面も。
今回のイベントのように女性側から発言する機会が増えれば、女性の活躍しやすい環境がバス業界にもできていくかもしれない。
※取材協力/リッツMC
(バスとりっぷ編集部)