サウナで暑さの実験を行い、どのくらいの暑さかレポートしました。35℃・40℃・45℃・55℃に設定されたサウナに5分間入り、体感や体の表面温度を測定しました。
実験内容
天気予報で「35℃の気温」と言われた際、どのくらいの体感になるか想像できますか?
今回は、各温度の暑さについて実際に体験し、解説していきます。
実験内容は、各温度に設定されたサウナに5分間入った後、身体の表面温度を測定するというものです。サウナの設定温度は、猛暑日の基準である35℃、酷暑日(※)の基準である40℃、近い将来日本で観測されそうな気温である45℃、公認された世界最高気温(1913年にアメリカのカリフォルニア州デスバレーで観測された56.7℃)に近い気温の55℃です。
東京の8月の湿度の平年値は約75%ですが、サウナの湿度は概ね30%台でした。実験中は、コットン100%のTシャツを4枚用意し、その都度着替えました。
(※)「酷暑日」は日本気象協会独自でつけた名称であり、気象庁が定義しているものではありません。
通常時の身体の表面温度
サウナに入る前に実験前の身体の表面温度を、Tシャツを脱いだ状態で測定しました。身体の表面温度は概ね33℃と言われていますが、それより少し高い、33~34℃程度でした。
35℃のサウナに入った後の表面温度と暑さレポート
まずは、35℃のサウナに入りました。
サウナに入る前よりも表面温度が1℃程度下がるという結果でした。特に胸のあたりは多量の汗をかいたため、やや大きく温度が下がりました。
日本で観測される35℃よりも湿度が低く快適な環境でしたが、それでも暑く感じました。35℃の中5分間じっと座っているだけで大量の汗をかき、35℃でも水分補給の重要性を再認識できました。身体の表面温度は下がったものの、身体の内部は実験前よりも暑く感じました。
40℃のサウナに入った後の表面温度と暑さレポート
続いて、40℃のサウナに入りました。
汗は大量にかいたにもかかわらず、サウナに入る前よりも表面温度が1℃程度熱くなるという結果でした。汗による冷却が効いていないと感じました。40℃は体温を超えているため、身体の表面温度も熱くなってしまったと考えられます。
ここ数年日本では当たり前のように最高気温40℃以上が観測されています。サウナは日本で観測されるよりも湿度が低い環境だったにもかかわらず、危険を通り超している暑さに感じました。40℃以上の気温が予想される日は、恒温動物の人間も熱を逃がすことが難しいです。屋外に出ず、屋内で過ごした方が良いでしょう。
45℃のサウナに入った後の表面温度と暑さレポート
45℃のサウナに入った実験結果です。
実験で暑さに適応したのか、40℃より身体の表面温度は少し下がるという結果でした。それでも通常時よりは表面温度が高くなっており、暑いことには変わりありません。
45℃となると、顔にずっとドライヤーをあてられている感覚になりました。
55℃のサウナに入った後の表面温度と暑さレポート
最後に、55℃のサウナに入りました。
実験で暑さに慣れてきたにもかかわらず、身体の表面温度は上がるという結果でした。腕など他の気温では見られなかった部分まで熱くなりました。汗も大量にかきましたが、汗による冷却は期待しない方が良さそうです。
今までの気温とは暑さの体感が大きく変わりました。実験時は落ち着いて座っているので比較的暑さを耐えられましたが、歩いたり走ったりなどの動作を行うとなると、極めて厳しい環境に感じました。もう人間が抗うことのできない気温に思えました。
結果のまとめ
通常時の身体の表面温度は33℃~34℃程度でした。気温35℃の中に5分いると、汗により身体の表面温度は下がりました、しかし暑いことには変わりなく、身体の内部は実験前より暑く感じました。体温を超える40℃以上では汗を大量にかいても身体は冷えず、通常より表面温度が1℃程度上がるという結果でした。自力では身体の熱を逃がすのが難しいため、すぐに涼しい場所に移動した方が良いでしょう。
水分補給や十分な休息など、熱さ対策の重要性が、この実験で再確認できたと思います。みなさんできる範囲で、暑さ対策を行いましょう。
※実験は安全に配慮して行っています。マネはしないようお願いします。