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レース結果にも大きく影響? 競馬と天気の関係について


「天気」を予想する気象予報士の中には、「競馬」を予想するのが好きな競馬好きも多いんです。実は私もその一人。今回は、競馬好きな女性気象予報士が、競馬と天気の関係についてお伝えします!


競馬の魅力

幼い頃から競馬好きな父に連れられ競馬場に通い、中・高校生の頃は父とテレビに張り付き、オグリキャップ、トウカイテイオー、ナリタブライアンが颯爽と走る姿に魅了され、競馬好きになった私。20代の頃には、受講生の9割が男性という競馬のレース実況講座で学んだり、現在、この道20年の競馬新聞記者(トラックマン)を夫に持ち、かつ、私自身は午年(うまどし)生まれと、何かと馬と縁が深いのです。

競馬は自分で予想をすることが醍醐味。それが見事的中すると、もちろん嬉しいですし、何より配当が魅力的ですよね。天気の予想と競馬の予想では大きく異なりますが、「過去のデータを分析」したり、「予想する」という意味では共通する部分もあるかもしれません。


レース結果にも影響する「馬場状態」

ただ、その予想の仕方もひとそれぞれ。過去の対戦成績のデータを重視して予想する人、血統から分析して予想する人、はたまた、インスピレーションで予想する人など・・・予想スタイルが様々です。

もちろん、過去の成績や血統も大いに結果に関係してきますが、競馬は屋外で行うものなので、天気や気象条件に左右されることが多々あります。時には大雪や台風の接近で大荒れが予想され、安全を確保できないと判断された場合、開催が中止になってしまうことも。多少の雨や雪では中止になることはありませんが、特に雨や雪が降ると、レース結果にも大いに影響します。なぜなら、天気によって「馬場状態」が変化するからです。


「馬場状態」には4段階ある

「馬場」というのは馬がレースを行う場所のことで、「芝」と「ダート(砂)」があります。

中央競馬(JRA)では「芝」コース、「ダート」コースの両方があり、テレビでもよく話題になるG1の有馬記念や天皇賞など大きなレースのほとんどは「芝」コースで行われます。一方、各自治体が主催する地方競馬は「ダート」コース(盛岡競馬場を除く)となっています。

予想をする上でも馬場状態は特に重要ですので、テレビの中継でも「今日の天気は、晴れ、馬場状態は「良」です」などとお伝えしています。馬場状態は国によっても異なるようですが、日本では4段階で表されます。晴れて、乾燥していると「良」、雨や雪によって馬場の水分含有率が多くなるにつれて、「やや重」「重」「不良」と馬場状態が変化していきます。当日、そのレースの時に雨が降っていたかどうかだけでなく、前日に大雨だったりすると、当日の馬場状態にまで影響します。
例えば、私たちも乾燥している芝の上は走りやすいですが、濡れている芝の上を走ると滑ったり、走りにくかったりします。また、海岸などで、さらさらの砂だと歩きにくかったり、走りにくかったりした経験があるかもしれません。逆に湿った砂の上だと、比較的歩きやすかったりします。

同じように、芝とダートでも馬場状態に違いがあり、それによって走る馬の得意不得意があります。


「芝」の場合

晴れているときは、走りやすい「良」馬場で、とにかくスピード重視の馬が有利です。雨で馬場状態が悪くなると地面が柔らかくなるため、走りにくくなります。そのため、不良馬場になると、力が必要になるため、パワーやスタミナのある馬が有利。ただ、雨で濡れている芝は滑りやすいため、馬のひづめの形によっても変わるようです。


「ダート」の場合

ダートの「良」馬場と「重」馬場では、芝とは逆の現象になります。砂はさらさらしているので、「良」馬場の時は人間と同じように走りにくく、パワーが必要になります。一方、水分を含んだ馬場は、硬くなりますので、スピード重視の馬が有利になるのです。そのため、「良」馬場よりも「重」馬場のほうがタイムが早くなるようです。ただし、大雨で水分含有率がかなり高くなると、泥のような状態になってしまい、馬の脚に泥がついてしまって走りにくくなるため、パワーが必要になってきます。

「良」馬場で力を発揮していた馬も、「重」や「不良」馬場になると、本来の力を発揮できないこともあります。そのため、予想外の大荒れの展開になり、大穴馬が来ることも。

競馬新聞を見ると、過去の成績が記載された馬柱には、重馬場実績も載っていますので、ぜひ参考にしてみてください。


砂を入れ替えて馬場状態の悪化を防ぐことも

ここ最近の話題では、東京都にある大井競馬場では、これまで青森県産や宮城県産の砂が使われていましたが、2023年10月からオーストラリア産のものに入れ替えられました。これまでは砂の粒子が細かく、粘土質になりやすかったそうですが、オーストラリア産は、硬度が高く、排水しやすく馬場状態の悪化を防ぐ効果もあるそうです。雨などの影響が少なくなることが期待できそうですね。

tenki.jpでは全国の競馬場の天気を予想しています。競馬の予想に欠かせない天気や風向き、そして気温は、外で観戦する際の服装の参考にもなります。これから年末にかけて、中央競馬、地方競馬とも大きなレースが控えていますので、過去の成績や血統などで予想を楽しみつつ、ぜひ天気も予想の参考にして競馬を楽しんでくださいね!冬の競馬観戦は防寒対策も忘れずに。

JRA『馬場状態に関する基礎知識』https://www.jra.go.jp/keiba/baba/condition/

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