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小春日和とはいつ頃?どんな天気?誤った使い方に要注意


時々、ニュースや天気予報で見聞きする「小春日和」。みなさんは正しい意味や使い方を知っていますか?
春のようにポカポカと暖かい日を小春日和と言いますが、12月後半や3月の暖かい日を小春日和とは言いません。
間違って使われがちな小春日和の意味や使い方、小春日和になる理由、天気のポイントなどについて詳しく解説します。


小春日和とは

「今日は各地で晴れて気温が上がり、小春日和となりました。」
テレビで気象予報士がこんな解説をしているのを聞いたことがあるのではないでしょうか。
この「小春日和(こはるびより)」という言葉、実はある時季にしか使われないのをご存知ですか?

答えは「晩秋から初冬」です。

「小春」は旧暦10月の異称で、現在の11月から12月上旬頃にあたります。小春日和とは、この晩秋から初冬にかけての暖かくて穏やかな晴天のことを表していて、この期間にしか使いません。

この「小春日和」ですが、文化庁が行った調査では、なんと約半数の人が春先に使う言葉と勘違いしていたそうです。ただ、「小春」という言葉・意味が一般的ではない現代では、間違った意味で捉えられてしまうのはやむを得ないのかもしれません。

このように、「春」という言葉に惑わされて春先に使う言葉と勘違いされがちですが、あくまで春そのものではなく、”まるで春のような天気”という意味で使います。2、3月頃に誤って「小春日和」を使わないように注意しましょう。

※出典:「平成26年度 国語に関する世論調査」(文化庁) (https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/index.html)


小春日和の天気のポイント

晩秋から初冬に「小春日和」が現れるのは、この季節ならではの気圧配置が関係しています。
秋は、上空の偏西風にのって高気圧と低気圧が交互に日本付近を通過します。移動性高気圧に広く覆われた時には、穏やかに晴れて気温が上がります。また冬が近づくにつれ、一時的に西高東低の弱い冬型の気圧配置になることがありますが、この冬型の気圧配置が緩んだ時には、晴れて風が弱まり小春日和になることがあります。

段々と冬に向かって肌寒さが増していく日々の中で、晴れて暖かい日があるとなんだか嬉しい気持ちになりますよね。ただし、天気予報で「今日(明日)は小春日和になるでしょう。」と聞いた時は、単に「晴れて暖かくなる」だけではなく、寒暖差に注意が必要です。
小春日和には、1日の寒暖差が大きくなりがちです。これは、晴れて風のない日は、日中はぐんぐん気温が上がる一方で、朝晩は放射冷却で冷え込みやすいからです。つい「小春日和」と聞いて上着を着ないで出かけたら、夜は寒かったなんてことも。「小春日和」になるのは、あくまで日中です。1日を通して外出される方は、朝晩の冷え込みにも日中の暖かさにも対応できる、調整しやすい服装がおすすめです。ぜひ、ポイント予報で時間帯ごとの気温もチェックしておきましょう。
また、日々の寒暖差も大きくなりがちです。小春日和をもたらした高気圧が日本から離れて低気圧がやってくると、天気は下り坂となり、一転して急に寒くなることもあります。気温の変動が激しいのもこの時季ならではですから、暖かさに油断をせず、体調管理に気をつけて過ごしましょう。

移動性高気圧に覆われた小春日和の天気図(2022年11月11日)

移動性高気圧に覆われた小春日和の天気図(2022年11月11日)


沖縄では「小夏日和」ということも

この時季、本州ではポカポカと暖かい小春日和でも、沖縄では最高気温が30℃を超えて「春どころかまるで夏」のような暑さになる時があります。そのような日を、沖縄では「小春日和」ではなく「小夏日和」と呼ぶことがあります。
本州でもさすがに30℃まではいかないものの、11月に最高気温25℃以上の夏日になることもあるので、そんな時は「小夏日和」の方がしっくりくるかもしれませんね。


海外にもある小春日和

「小春日和」は、海外にもあります。いくつか代表的なものをご紹介します。
それぞれ、秋頃の穏やかで暖かい天候のことを指しています。

・インディアンサマー(北米)
・老婦人の夏(ドイツ)
・聖マルタンの夏(イギリス)
・女の夏(ロシア)

沖縄の「小夏日和」と同様に「夏」が使われている点が特徴ですが、高緯度の国の場合、快適な季節=夏にあたるので、「夏」という言葉が使われています。
「春」か「夏」かで、日本とそれぞれの国の気候の違いが感じられておもしろいですね。


季節ごとに使い分けよう!「穏やかな晴天」を表す言葉

では、晩秋から初冬以外に「小春日和」のような天気のことを言いたい時、一体どのように言えばよいのでしょうか。

・秋日和、秋晴れ
小春日和より前の、穏やかに晴れて青空が広がる秋の日には、「秋日和」や「秋晴れ」を使います。春や夏と比べて高く澄んで見える秋の空は、より一層気持ち良く感じられます。

・冬日和、冬晴れ
小春日和を過ぎたら「冬日和」または「冬晴れ」と言います。北風が吹き付ける冬の厳しい寒さの合間、日差しの暖かさにほっとできる穏やかな日に使います。

・春日和
春になったら、シンプルに「春日和」でOKです。
ただ、「小春日和」と比べて「春日和」を使っている人は、一般の方はもちろん、気象予報士の中でも少ないように思います。筆者としては、もっと「春日和」が使われるようになれば、「小春日和」と「春日和」を間違って使う人が少なくなるのでは、と感じる次第です。

同じような天候でも、季節によって言葉を使い分けなければいけないなんて、ややこしすぎる…と感じるかもしれません。
ですが、季節に合わせて言葉を使い分けることで、天気だけではなく季節も一緒に感じることができます。さらに、「今日は天気がよくて暖かいですね。」よりも、「最近急に寒くなったけれど、今日は小春日和でほっとしますね。」「明日は春日和になるそうですよ。ようやく暖かくなってきて嬉しいですね。」の方が、「お、この人言葉の使い方がわかっているな。」と思ってもらえる上に、会話に彩りも生まれます。
ぜひ、季節のうつろいを感じながら、これらの言葉を使ってみてくださいね。

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