低山でも天候によっては登山中にじんわりと汗をかく季節になってきました。そろそろ春登山の計画を立てようかと考えている人もいるかもしれませんが、その前にやらなくてはいけないことがありますよね。そう、冬の登山道具のお手入れです。
面倒だからといって放置していると登山道具の寿命が短くなるので、きちんとお手入れしてから保管しましょう。そこで今回は、冬の登山で活躍したダウンジャケットのお手入れ方法について、わかりやすく解説していきます。まだメンテナンスしていない人は、ぜひ参考にしてください。
ダウンジャケットのお手入れが必要な理由
そもそもなぜダウンジャケットのお手入れが必要なのか、その理由がわからないという人もいますよね。登山歴が長いベテランでも、これまでに1度も洗ったことがないという人もいるはずです。ダウンジャケットをお手入れしなくてはいけない理由は下記の4つです。
・カビが発生し不衛生になる
・においが発生する
・膨らみがなくなり保温性が下がる
・汚れにより変色する
ダウンジャケットには羽毛が使われており、登山で利用すると汗をたくさん吸い込みます。その状態のままにしておくとカビの原因になり、不衛生であるだけでなく、においも発生してしまうといった問題が発生します。
しかも羽毛が劣化するため、購入したときのような膨らみがなくなり、保温性も下がります。さらには汚れが付着して変色するため、見た目が悪くなってしまい、結果的に早いサイクルで買い替えることにもなりかねません。
そうならないためにも、冬シーズンが終わってからのメンテナンスはとても重要です。少しでも長く使い続けたいと思うのであれば、春登山をスタートさせる前に、しっかりとお手入れしておきましょう。
ダウンジャケットは手洗いがおすすめ
ダウンジャケットの洗濯方法として、洗濯機で洗う方法を紹介しているサイトもありますが、登山で使ったダウンジャケットは大量の汗を吸っているので、手洗いがおすすめです。ただし洗濯マークに「手洗い禁止」となっているものがあります。その場合は自分で洗わずにクリーニングに出しましょう。
手洗いの手順は次のようになります。
1.ポケットの中に入っているものを取り出す
2.ジッパーを閉じて裏返す
3.洗面台などを使ってぬるま湯に浸す
4.洗濯石鹸で襟元や手首周り、裾などの汚れを落とす
5.ダウンジャケット専用クリーナーを注ぐ
6.汚れが出なくなるまで優しく押し洗う
7.水でしっかりとすすぐ
8.手で押して水分を取り除く
9.陰干しする
10.乾燥機で仕上げる
ダウンジャケット専用のクリーナーがない場合には、おしゃれ着用の中性洗剤でもかまいません。また、乾燥機での仕上げは10〜15分くらいかけて、できるだけゆっくりと低温で乾かしてください。乾燥機がない場合には、完全に乾く前にダウンジャケットを両手で叩くとふんわりと仕上がります。
とにかく丁寧に洗うことが、失敗しないためのポイントです。また、乾燥したと思っても、内部は湿っています。すぐに収納してしまわずに、1週間程度は風通しのいい場所で陰干しを続けましょう。
ダウンジャケットはハンガーで保管しよう
しっかりと乾燥させたら、あとは収納するだけですが、ここで気をつけなくてはいけないのが、収納袋や圧縮袋に入れて保管しないということです。ダウンジャケットはかさばるので、どうしてもコンパクトにしたくなりますが、圧縮させると羽が折れるなどして、元のふっくらした感じがなくなります。
このため、スペースに余裕があるならハンガーにかけて収納してください。このとき、ジッパーをきちんと閉じておくと、型崩れを防げます。ハンガーラックなどに掛けておく場合には、他の衣類に挟まれて、圧縮されないように注意してください。
どうしても衣装ケースなどに収納したいのであれば、柔らかく巻いて、乾燥剤と一緒に保管してください。繰り返しになりますが、圧縮は絶対にNGです。衣装ケースに押し込むような保管方法は、できるだけ避けてください。
クリーニング店にお任せするのもおすすめ
ここまでの説明で、自分でダウンジャケットのお手入れをするのが難しいと感じた人は、無理に自分でメンテナンスする必要はありません。ダウンジャケットをクリーニングに出せば、正しい方法で確実に汚れを落としてもらえます。
ただ、ダウンジャケットのクリーニング代は高く、1着で2,000〜3,000円かかり、ブランドものになると5,000円前後になるケースもあります。かなり高額になりますが、ダウンジャケットのお手入れはそれくらい手間がかかるのだと考えてください。
出費は痛いかもしれませんが、汚れが落ちるだけでなく、ボリュームもしっかりと戻るといったメリットもあります。普段は手洗い派という人も、シーズンオフになるタイミングでクリーニングに出してみるといいかもしれません。
ただし、クリーニングには5~7日かかるため、突然気温が下がって次の登山にダウンジャケットが必要になっても、受け取りが間に合わない可能性があります。週間天気予報をチェックして、ダウンジャケットが必要にならなさそうなタイミングでクリーニングに出しましょう。