桜の最早開花・満開が相次いだ2023年の春。2021年の春も最早開花・満開が相次いぎ、近年は開花が早くなる傾向が強まっています。
今年2024年の桜開花も気になるところではありますが、最も遅かったのはいつなのか…?と気になりませんか?
記録を遡っていくと、40年前つまり1984年の開花日がとても遅かったようです。そこで今回は1984年の開花前線図を描き、その開花日を地方毎に遡っていきます。
1984年の桜開花前線 最早は鹿児島の3月26日
1984年の開花は3月26日の鹿児島から始まったようです。この時点でここ最近の傾向からするとかなり遅いですね。
続けて28日に宮崎、30日に高知、31日に熊本・佐賀・長崎で開花したようですが、3月中の開花はこの6地点となっています。
2023年の春は3月中に仙台まで開花していますので、やはりかなり遅く感じますね。
1984年の桜開花前線 大阪の開花は4月10日
近畿・東海エリアの開花は4月6日の静岡・和歌山から始まったようです。続けて京都・大阪・神戸が9~10日にかけて開花し、最終的に松江が13日開花して開花前線は近畿・東海エリアを走破しているようです。
ちなみに、2023年の4月6日は、盛岡で「満開」を迎えています。
1984年の桜開花前線 東京の開花は4月11日
関東甲信・北陸エリアの開花は4月11日の東京から始まっています。今の感覚であれば、入学式シーズンに桜花見をするのはやや難しいように思いますが、1984年の春は入学式シーズンを過ぎてもまだ開花にすら至っていないようです。
開花前線は、その後12日に甲府、14日に熊谷などで開花した後、20日に水戸、26日に新潟・長野で開花し関東甲信・北陸エリアを走破したようです。
1984年の桜開花前線 ゴールはほぼ6月?!
北海道・東北エリアの開花は4月25日の福島から始まったようです。28日に仙台、29日に山形で開花した後、5月6日に盛岡、11日に青森で開花となりました。開花前線はここで道南の函館を飛び越え、12日に札幌で、14日には旭川で開花しています。函館の開花は大きく遅れて5月23日となっており、最後は釧路の5月30日開花をもって、開花前線はゴールを迎えました。全国で、平年(1991~2020)からの差がもっと大きくなった「函館」では、+25日と1カ月近くも遅い開花となったようです。
このように1984年の開花は、58の官署地点中40地点で2023年現在でも開花の最晩記録となっており、記録的に開花が遅かった年と言えますが、その原因はこの年の冬の気温にあります。
この年の冬は、「昭和59年豪雪」と呼ばれ、3月の東京でも降雪日数が10日に及ぶような、特に寒かった冬です。
【昭和59年豪雪】
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/1984/198401/198401.html
近年は温暖化の影響もあり、各地で早期開花の傾向が顕著になっていますが、果たして東京で4月中旬に開花となる日が来るのは何年後になるのでしょうか。