ゴルフのスコアにはさまざまな呼び方がありますが、中には俗称として1つのスコアに複数の呼び方があるものも存在します。
本記事ではそんな俗称のひとつで、ホールインワンよりも難しいともいわれるスコア「アルバトロス」について解説します。
ゴルフのアルバトロスとは?
ゴルフではホールごとに「これくらいの打数でホールアウトしましょう」という規定打数「パー」があり、規定打数ちょうどでホールアウトした場合の呼び方は「パー」です。
そして、規定打数より1打少なくホールアウトした場合を「バーディ」、2打少なくホールアウトした場合は「イーグル」、3打少なくホールアウトした場合を「ダブルイーグル」と呼ぶのですが、この「ダブルイーグル」の俗称が「アルバトロス」です。
つまり、パー5のホールを2打でホールアウトした場合はもちろん、パー4のホールを1打でホールアウトした場合も、ホールインワンでありながらアルバトロスでもある、ということになります。
なお、アルバトロスよりさらに1打少ない4打でホールアウトした場合は「トリプルイーグル」や「ダブルアルバトロス」、「コンドル」といいます。
■アルバトロスの由来は「アホウドリ」
アルバトロス(Albatross)は英語で鳥類の一種である「アホウドリ」という意味です。
これは、長距離を飛ぶ能力に優れ、滅多に見かけることのない珍しい鳥であるアホウドリを、同じく飛距離を必要とし、滅多に見かけることのないダブルイーグルと重ね合わせたことに由来しているといわれています。
ゴルフ用語には鳥に関する俗称がほかにもあり、英語でバーディ(Birdie)の意味は小鳥、イーグル(Eagle)は鷲(ワシ)です。なお、アメリカでは鷲が国章に用いられていることからも鷲が好まれるため、アルバトロスではなくダブルイーグルと呼ぶほうが一般的なようです。
アルバトロスはホールインワンより難しい?
アルバトロスはホールインワンより難しいともいわれています。なぜかというと、どのホールでも狙えるホールインワンに対して、アルバトロスはパー4またはパー5のホールでしか狙うことができないためです。
また、飛距離においても、ホールインワンであればパー3のホールで1打あたり200ヤード程度での達成が狙えますが、アルバトロスは1打あたり300ヤード以上が必要になります。つまり、限られた人にしか達成できないことからもホールインワンよりアルバトロスのほうが難しいといわれているのです。
アルバトロスを達成する確率は、女子プロゴルファーが100万分の1の確率、男子プロゴルファーが15万分の1の確率といわれています。アマチュアゴルファーに至っては、200~300万分の1の確率のため、実質上狙って達成できるものではいといえるでしょう。
■ゴルフ史に残るアルバトロスの記録
数少ないアルバトロスの記録の中でも、多くの人に強い印象を与えた記録が1935年、第2回マスターズ・トーナメントでのアルバトロスです。
15番パー5、ジーン・サラゼンがバフィーで放った2打目がそのままグリーンに乗りカップイン。このアルバトロスによってサラゼンはそれまでトップだったC・ウッドに追いつき、最終的にマスターズチャンピオンとなったのです。
このドラマティックなプレーは世界中で配信され、結果としてマスターズがメジャートーナメントとなるきっかけとなりました。
アルバトロスを達成するには?
ここまでお伝えしてきたとおり、アルバトロスを達成することは至難の技であり、プロゴルファーであろうと狙って達成できるものではありません。ただ、アルバトロスを達成するためには、少なくとも次の2点が最低条件となります。
■アルバトロス達成に必要なドライバーの飛距離
アルバトロスを達成するためには、500ヤード前後、もしくはそれ以上あるロングホールを2打で届かせなければなりません。つまり、ドライバーで300ヤード、最低でも250ヤード飛ばすことが目標となります。
まずはアームローテーションと体重移動の基礎をしっかりとおさえ、ヘッドスピード、ミート率、ボール初速のスピード向上を目指しましょう。
■アルバトロス達成に必要なアイアンの飛距離
次に、アルバトロス達成にはアイアンで150ヤードから200ヤード飛ばさなければなりません。アイアンの飛距離をアップさせるためには、ダウンブローを徹底させることに加え、ヘッドスピードを上げることが求められます。
アイアンをダウンブローに打つ、つまり、クラブヘッドが降下している途中や最下点に達する前にボールを打つという基本をしっかりとおさえましょう。
基礎をしっかり固めてアルバトロスに近づこう
アルバトロス達成にはショットの飛距離や正確性が求められますが、プロゴルファーでさえ狙ったからといって達成できるものではありません。しかし、裏を返せば今回ご紹介した最低条件を満たすことで、誰にでも達成のチャンスが巡ってくる可能性があります。いつか巡ってくるかもしれないそのときのために、まずは基礎をしっかりと磨きましょう。
アルバトロスを達成するためには、その日の天気も重要なポイント。安心してプレーするためにも、ゴルフ場の天気予報がピンポイントでチェックできる「tenki.jp」の「全国のゴルフ場の天気」をぜひご活用ください。