登山は楽しいものの、少し難易度の高い山を1日がかりで登ると、翌日以降に筋肉痛になってしまったり、疲労がなかなか抜けなかったりしますよね。登山翌日は階段を上り下りするのも大変という人もいるのではないでしょうか。
そうならないために、まずは自分の体力に見合った山を選ぶことが大切ですが、それと同時にリカバリー方法を学んで身につける必要があります。そこで、今回は筋肉痛や疲労した状態から、効果的に回復できる方法をご紹介します。
しっかりと寝ることがリカバリーの基本
登山に限ったことではありませんが、リカバリーの基本は「寝ること」です。世の中にはさまざまなリカバリー方法がありますが、睡眠時間を確保できていることが大前提であり、忙しさを理由に睡眠時間を短くしていると、いつまで経っても回復しません。
どれくらい眠ればいいのかは個人差がありますが、リカバリー期間はできるだけ7時間以上の睡眠時間を確保してください。私たちの体はノンレム睡眠のあいだに筋肉の緊張が緩むため、そのタイミングで疲労回復が促されます。
もちろん睡眠の質も重要ですが、まずは睡眠時間を確保することから。その上で睡眠の質を高める工夫をしましょう。
・就寝直前に食事をしない
・就寝前はスマホやパソコンの画面を見ない
・朝起きて太陽の光を浴びる
・湯船に浸かって体温を上げてから寝る
このような方法で睡眠の質が向上します。すでによく知られている方法ですが、睡眠の質を上げるのに裏技はありません。就寝前はスマホやパソコンを見ないなど、しっかりと準備をして、深い眠りで回復に努めましょう。
参考
睡眠は、リカバリーの重要な手段の一つ
登山後の食事はタンパク質と糖質を多めに摂る
十分な睡眠はリカバリーを促すと説明しましたが、それと同じくらい大切なのが食事です。疲労した状態から筋肉を修復するには、材料が必要になります。睡眠は大工さん、食事は家を建てる材料です。いくら腕のいい大工さんが集まっても、材料がないと家は建ちません。
その回復のための材料となるのがタンパク質です。肉や魚、乳製品などを積極的に食べるようにするだけでなく、アミノ酸のサプリメントや、プロテインを摂取するのもおすすめです。ただしタンパク質だけでは、体を元の状態に戻すことはできません。
登山は長時間の運動になるため、下山後には体内のグリコーゲンが枯渇した状態になります。このグリコーゲンを補ってこそ、回復できた状態になるので、グリコーゲンの原料となる糖質(ご飯や麺類)をタンパク質と合わせて摂取しましょう。
ちなみにアルコールは適量であれば、疲労回復効果があるとされています。血管が膨張して血行がよくなり、利尿作用により体内の老廃物を素早く排出できます。もちろん飲み過ぎはNGですので、適量を意識して飲むようにしてください。
リカバリー効果のあるウェアを着用する
リカバリーウェアを着るというのも、疲労回復効果を期待できます。以前のリカバリーウェアは着圧を高めて血流を促進させるというものでしたが、最近は鉱物などを練り込んだ生地で作られたリカバリーウェアが増えており、手軽に利用できるようになっています。
それらのリカバリーウェアは、体から放出された熱を吸収して、それを再放射するといった機能があります。その機能により血流が改善し、体内に溜まった老廃物を素早く回収することで、疲労回復が促されるというわけです。
リラックス効果もあるため、ルームウェアやパジャマとして利用することで、睡眠の質を高められるというのも、リカバリーウェアのおすすめポイントになります。さまざまなメーカーから発売されていますので、ぜひチェックしてみてください。
週2回の筋トレで疲れにくい体を手に入れよう
リカバリーも大切ですが、もっと重要なのは登山に適した体をつくることです。登山は長時間の運動になるので、持久力が大事と考えている人もいるかと思いますが、筋肉痛になる人や疲労が抜けにくいという人は、筋力不足という問題も抱えているケースが多々あります。
頻繁に登山できていれば、筋力も自然と付いてくるのですが、そのためには毎週のように山に行く必要があります。さすがに毎週登山するのは難しいという人が多いと思いますので、その場合は筋トレをして筋力を向上させましょう。
おすすめは膝の曲げ伸ばし運動となるスクワットと、着地の衝撃に耐えられる体をつくるための縄跳びです。スクワットや縄跳びにはいくつかの種類がありますので、筋力が低い部位を鍛えられるように、YouTubeなどの動画を参考にして、週2回ほど行ってください。
このとき大事なのは中2日で行うことです。1回のトレーニングが終わったら、少なくとも48時間のリカバリー期間を設けてください。また、中2日でしっかりと回復できるトレーニング量であることも大事ですので、オーバートレーニングにならないように気をつけてください。
登山はお手軽なアクティビティですが、山の難易度によっては立派なスポーツになります。より高いレベルの山を登ってみたいなら、普段からしっかりとトレーニングを積み重ねて、高負荷にも耐えられる体を手に入れましょう。