やっと梅雨が明けたと思ったらもう「立秋」とは! 現代人はおおいに違和感を覚えるでしょう。自然の中で思いっきりとはいかなくても、やっと来た夏を楽しみたいですよね。今年は中止のところもありますが、各地で七夕祭りが行われるのも8月です。実は、安定した天候の中で星空を眺める絶好の機会が8月というわけです。星の瞬きがもつ時間の長さの向こうに、まだ先だと思う秋もほんのり見えてくるかもしれません。さあ、夏の夜空を楽しんでみませんか。

満天の星

満天の星


星に願いを、流れ星を探そう!ところで「流れ星」ってどんな星?

入道雲の湧く昼間の空とはうって変わって、夜の空には見ている私たちをおおらかに包みこむ静けさがあります。そんな空を見上げるときやっぱり見つけたいのが流れ星。 流れ星はどこから来るのでしょうか? 静かに輝くお星様とは違うのかしら? 子供の頃そんな疑問をみんな持ったことでしょう。
空に輝く星は大きくて太陽のように燃えているそうです。だから光っているのですね。そして流れ星の元は、宇宙に飛んでいる数ミリから数センチ程度の岩石のかけら、塵ということです。宇宙の塵が地球の大気に飛びこんだとき、大気との摩擦で熱が生じ宇宙塵は燃えて輝きながら線を描いて落ちていきます。これが私たちが目にする流れ星。流れ星はやがて燃え尽きて消えていきます。中には燃え尽きずに地球に落下するものもあり、「隕石が落下」と大きな話題になっています。
夏の林間学校で催された星空教室では、目の前に広がる宇宙の雄大さにワクワクしました。懐かしい子供の頃の思い出です。たとえ宇宙の塵といわれても輝き流れる美しさに感じるロマンに変わりはありません。「流星」は俳句でも季語となっており、それぞれが星に託した思いを詠みこんでいます。
「星飛べり空に淵瀬のあるごとく」 佐藤鬼房
「真実は瞬間にあり流れ星」 マブソン青眼
星の輝き、流れる星、空を隠すように静かに動いて行く雲、夜の空はいつまでも見飽きることがありません。

VERA 電波望遠鏡 石垣島

VERA 電波望遠鏡 石垣島


8月といえば「ペルセウス座流星群」なぜ毎年見られるの!?

流星群、といえば流れ星が群となって飛んでいるということになります。毎年8月になると「ペルセウス座流星群」がピークを迎えると話題になります。国立天文台のホームページをチェックしてみると、流星の出現期間は7月17日から8月24日で、流星の数が増えるのは8月中旬頃、極大時期は8月13日頃とあります。この頃に暗い夜空を眺めるチャンスがある方はぜひ流星観測にチャレンジしてみませんか。
なぜ毎年決まった時期に流星群と出会えるのでしょうか? 不思議ですね。天体から噴き出した比較的大きな塵が、彗星と一緒に太陽の周りを何度も回るうちに軌道内で帯のように広がっていくそうです。地球が公転する軌道と彗星が作る塵の帯とが交差するとき、帯の中の塵たちが地球の大気と衝突し流星となって輝きを放ちます。放射の中心となる位置にある星座が流星群の名前となりました。毎年7月後半から8月にかけて地球が通る軌道、そこには彗星の宇宙塵の帯があり、その帯を地球が通過する時、地球から見るとまるでペルセウス座から流星が降ってくるように見えるわけです。眼を宇宙に置いて感じてみるとまた違う世界が広がっていきます。私たちは広大な宇宙の摂理の中で生きているんだ、と思うと元気が湧き嬉しくなりませんか。

ペルセウス座流星群 2016年8月12日と13日 国立天文台 戸田博之撮影

ペルセウス座流星群 2016年8月12日と13日 国立天文台 戸田博之撮影


夜空のロマン「星月夜」ってどんな夜?

今月は4日に迎えた満月がすこしずつ欠けていく中、星もよく見えるようになっていくことでしょう。やがて19日には新月となり月は姿を消します。月が輝きを失ったこのとき、星は空で輝きをまし美しく光ります。このような星空をたたえた言葉が「星月夜」です。
「我ひとり鎌倉山を越へ行けば 星月夜こそうれしかりけれ」 『永久百首』より
平安時代の終わり頃に詠まれた「星月夜」ですが、真っ暗闇の山の中で星明かりのありがたさが伝わってきます。見えない月と合わせて星の輝きを際立たせようとしたところに、日本語の表現の面白さを感じませんか。
「星月夜」と聞くと、ゴッホが描いた明るく輝く空の力強い絵を思い出す方も多いことでしょう。大きな三日月と輝く星を糸杉の向こうに描いた絵は、「星と月の輝く夜」という意味としての「星月夜」ですが、これもまた素直でステキな日本語のタイトルです。
星の瞬きを見ながらあなたはどんなことに思いを馳せていますか? 人それぞれいろんなことが心の中に浮かんでくることでしょう。こんな風に星とともにさまざまなことを考える夏こそ、実は秋の始まりなのかもしれませんね。

木々の間より見る星空

木々の間より見る星空