じゃがいもの大生産地、北海道では、7月下旬からじゃがいもの収穫が始まります。北海道でこの時期に収穫されるじゃがいもが「新じゃが」です。新じゃがは皮が薄いので、皮のまま素揚げにするとおいしさが倍増。今しか味わうことができない新じゃがを、今年もおいしくいただきましょう。
じゃがいもの大生産地、北海道では7月下旬から収穫される
春に見かける新じゃがはほとんどは、長崎や鹿児島などの九州産です。九州では1~3月に作付けするので、5月には早くも新じゃがが収穫されます。さらに春以外にも、9月に植えて11月に収穫する秋作や、10月以降に植えて2月過ぎに収穫する冬作もあります。九州のようにあまり雪が積もらない地方ではこのように、じゃがいもの二期作、三期作が可能となります。
一方、雪が積もる北海道のじゃがいもは一期作。4~5月に種いもを植えて、7月下旬から収穫が始まります。じゃがいもは元々涼しい気候を好むので、北海道のような北国でよく育ちます。さらに、北海道は昼と夜の寒暖差が大きいので、じゃがいもがより甘くなります。北海道の冷涼な気候こそが、じゃがいもをおいしくする所以だといえるでしょう。
ところで、九州産と北海道産のどちらも、貯蔵・熟成しない、とれたてのじゃがいもは「新じゃが」とよばれます。新じゃがは、いもが大きく育つ前に収穫されたじゃがいもなので、小ぶりでフレッシュ、みずみずしいのが特徴です。貯蔵して甘みが増したじゃがいももおいしいですが、この時期だけの若い新じゃがもまた、おいしいものです。
皮が薄いので、タワシでこすると皮がむける
新じゃがは早めに収穫されるので、水分を多く含み、シャキシャキとみずみずしく、皮が薄いのが特徴です。冬から出回る熟成じゃがいも(一般的なじゃがいも)は皮が硬いので包丁で剥きますが、新じゃがは皮が柔らかいので、タワシでこする程度で皮を剥くことができます。
タワシでこすると包丁で皮を剥くときと違って、表面がツルンとした状態で丸くなるので、粉ふきいもや甘辛煮など、丸ごと料理に利用すると見た目もきれいに仕上がります。
冬の熟成いもと違って、軽い味わい。だから揚げると美味!!!!
冬以降に出回るじゃがいもは熟成されているので、甘みが増し、濃厚な味わいです。一方、新じゃがは熟成されていないので、とれたてのみずみずしさが残り、フレッシュで軽い味わいです。
この軽さを味わうのにオススメのレシピは、なんといってもフライドポテトです。新じゃがは皮が薄いので、よく洗った後、皮ごと揚げると香ばしくなります。また、小さめの新じゃがは揚げるのに好都合です。縦に二つ~四つに切り、皮がパリパリになり、表面が軽くキツネ色になるまで、じっくりと揚げましょう。
味つけは塩・コショウでも十分おいしいですが、お好みで青ノリやカレー粉、バジルやパセリをまぶすと、さらにおいしく変身します。
〈参考:農林水産省「九州で生産された“新じゃが”が出回っていますが、日本のジャガイモの栽培時期(作期)はいつ頃なのですか」〉
この時期、おいしい新じゃがですが、食中毒に気をつけてください。貯蔵するときは日光に当てない、傷をつけないこと。また、食べるときは、緑色の部分や芽は十分に取り除いてからお使いください。夏の新じゃが。きちんと下処理して、おいしくいただきましょう。