新海誠作品といえば、素晴らしい風景描写でも知られています。風景の中で「天気」「気象」は、とても大切な位置を占めている要素。映画の見どころや、アフレコ収録中に心がけていたことなどを、醍醐虎汰朗(だいごこたろう)さんと森七菜(もりなな)さんに語ってもらいました。MCは引き続き気象予報士の奈良岡希実子(ならおかきみこ)さんです。
それぞれの気持ちを大切に感情の起伏を表現
今回主人公とヒロインの声優として出演した2人は、まだ「若手」と呼ばれるキャリア。慣れないアフレコの現場では、難しさもあったといいます。でもそこは可能性を秘めた、才気あふれる2人のこと、シーンごとにそれぞれの主題を見つけて演じきりました。
奈良岡 アフレコの時、気を付けていたポイントは何かありましたか?
醍醐 例えば感情の起伏が激しいシーンなんかでは、気持ちを大事にしようって七菜ちゃんと事前に話してましたね。
森 そうそう。悲しい時はこう、楽しい時はこうって。
醍醐 そのへんは、新海監督や音響監督の山田陽さんの意見も聞いてみんなで話し合って。1シーン1シーンでそれぞれの主題を見つけていった感じですね。
奈良岡 じゃあ、録っていくのに時間がかかったんじゃないですか。
森 そうですね。一つひとつ丁寧にやっていきましたから。
醍醐 けっこうゆったりと、時間をかけて録っていきました。
奈良岡 なるほど。そんなことも頭に入れながら映画館で観ると、もっと印象深くなるんでしょうね。ここで2人がこんなこと考えながら台詞を喋っていたのか、なんて。
何気ないセリフ一つひとつが本当に難しかった
この映画は、若い2人が運命に翻弄されながら自分たちの生き方を見つけ出そうとするストーリーです。時間をかけて丁寧に録っていったという醍醐さんと森さんに、アフレコ現場のことも訊いてみました。
奈良岡 アフレコをしている時、気を付けていたことって何かありますか。
森 さっきも出ましたが丁寧に録っていくことを心がけていて、何気ないセリフでも『ぬかりなく』やっていきたかったんです。だから全部が難しかったですね。
醍醐 録音中のエピソードで言うと、僕の場合は『ダイエット失敗』です(笑)。
奈良岡 え、なんですかそれ?
醍醐 アフレコに入る前、頑張って以前より3キロくらい痩せたんですよ。でもスタジオにたくさん差し入れをいただいて。それがもう見たこともない高そうでおいしそうなものばっかりで、つい食べてしまったんです(笑)。
奈良岡 全然ダイエットの必要ないと思いますよ。
醍醐 でもまあ、今は筋トレとか身体を動かすようにしてますけど。
風景としての「天気」を描ききった作品
アフレコを通して、また新たな世界への扉を開けたような醍醐さんと森さん。新海誠監督作品にはもちろん初めての出演ですが、主人公とヒロインとしてこの「天気の子」は、どこが見どころなんでしょうか。
奈良岡 『天気の子』は、いよいよ7月19日から全国の映画館で公開されるわけですが、お2人が考える映画の見どころを教えてください。
森 新海監督の作品で大きな魅力の一つが、風景だと思うんです。この作品も風景描写がとってもきれいで、『天気の子』というタイトルになることで最大限に描かれているんですよね。
奈良岡 『風景=天気』なんですね。予告映像でも空の映像がたくさん出てきていて、きれいだと思いました。
醍醐 本編でもたくさん見られますよ。
森 空も多く映るし、雨や太陽の光とかすごくたくさん描かれているんです。今までの新海作品が大好きな方ならもちろん大満足していただけると思いますし、今まで観たことがなかった方も、新しい世界に誘われるような気分になるじゃないかと思います。
奈良岡 お2人から映画へのコメントをどうぞ。
醍醐 僕たちが声の出演をした『天気の子』が7月19日より公開となります。
森 天気の調和が狂っていく時代に、運命に翻弄される少年と少女が自らの生き方を選択するストーリーです。
醍醐 新海誠監督の映像美とRADWIMPSさんの音楽。そして紡がれる物語。この夏、きっと忘れられない作品になると思います。
醍醐・森 ぜひ、劇場でご覧ください!