スーパーなどでもお手頃価格で手に入り、加工品も多く、食卓に登場する機会も多いイワシ。種類や食べ方などをきちんと知っていますか?栄養効果も高い注目の食材「イワシ」をフォーカスします。美味しく食べて、元気に過ごしましょう♪
ひと口にイワシといっても
スーパーなどで売られているイワシの種類はご存知でしょうか?主にマイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシが一般的な種類になります。それぞれの特徴をちょっとみてみましょう。
☆マイワシ
背が青緑、腹部が銀白で、青黒い斑点が7つあります。日本のイワシ類の漁獲量はほぼ、このマイワシが占めています。
☆ウルメイワシ
全長30cmほどで、スリムな円筒形に近い形をしています。大きな目に厚い脂肪がついていて、潤んだように見えることからこの名がついたとも言われています。
☆カタクチイワシ
小柄で15cmほど。下顎が小さく、上顎が突き出て見える頭が特徴です。
イワシは加工品としても様々に利用されています。「実は、あの食品も…」イワシだったと知っていましたか?
☆煮干し
小さなカタクチイワシを食塩水で茹でて乾燥させたもの。出汁として使われることが多い。
☆メザシ
マイワシやカタクチイワシを塩水に浸したものを天日干しにした干物。串に目を通して数匹をまとめてあることが由来だそうです。
☆しらす干し・ちりめんじゃこ・タタミイワシ
マイワシやカタクチイワシの稚魚を蒸して乾燥させたものがしらす干し。さらに乾燥させるとちりめんじゃこになります。型にはめて乾燥させたものがタタミイワシです。
☆オイルサーディン
小ぶりのマイワシの頭を落とし内臓を取り出して、油につけて加熱したもの。缶詰にしたものがほとんどで、あまり塩辛くないのでそのまま食べることができます。
☆アンチョビー
カタクチイワシを塩漬けにして発酵させ油につけて缶詰にしたもので、調味料として使われることが多い。
イワシを食べたほうが良い理由
イワシにはバランスよく栄養が含まれています。主なものを知っておいてくださいね。
☆DHA(ドコサヘキサエン酸)
OMEGA−3と呼ばれる、必須不飽和脂肪酸の一種です。悪玉コレステロールを減らして、善玉コレステロールを増やしたり、脳・神経組織の発育、機能を高めると言われています。また血圧を下げたり、血液中の中性脂肪を減らす作用があるとされています。
☆EPA(イコサペンタエン酸)
人の体内でほとんど作ることのできない必須脂肪酸です。悪玉コレステロールを減らして、善玉コレステロールを増やしたり、血中の中性脂肪を減らす効果があるとされています。また、EPAを摂取すると赤血球自身が柔らかくなり、血液の粘度が下がりサラサラになるとも言われています。
☆カルシウム
骨、歯を強化する効果があると言われています。また、カルシウムの吸収率を上げるビタミンDもイワシには含まれているので、効率よく摂取できるとされています。
☆ビタミンB2
細胞の再生やエネルギーの代謝を促して、皮膚や髪、爪をつくったり、成長を促すとされています。ビタミンB2は体内で過酸化脂質の分解を助けるとも言われています。
旬の新鮮なマイワシ、はじめの1歩
マイワシの「目利き」のポイントを知って、まずは美味しいマイワシを手に入れましょう。
☆ポイント1
頭を立てて持つと、全身がピンと立つもの
☆ポイント2
目が赤いものは避けましょう
☆ポイント3
ウロコの銀色が美しく、輝いているもの
次に、イワシの「捌き方」を。捌くといっても億劫がらないで!イワシは小さく、身も柔らかいので手で簡単に捌くことができるんです。やってみると意外に難しくないので、ぜひ、この機会に覚えてしまって料理のスキルも上げてしまいましょう。
☆イワシの『手開き』
1. まずはウロコをとります。柔らかい身を傷付けないように、力を入れずに包丁でこそぎ取りましょう。
2. 頭を落とします。胸ビレの付け根あたりからまっすぐに包丁を下ろして切り分けます。
3. 腹部には腹骨という硬くなっている部分があり、この部分を切り離しておきましょう。
4. 腹部の真下を肛門あたりまで切り開きます。
5. わたを包丁の刃先で引っ掛けて取り出します。
6. 腹部の中を水でよく洗いましょう。
7. 手開きします。腹部にグッと親指を押し込み、そのまま尻尾まで親指を動かして腹を開きます。
8. 中骨を取ります。手で引っ張れば簡単に取り除くことができます。
9.小骨を取ります。中骨と同様に、手で引っ張れば取り除くことができます。
イワシ ア・ラ・カルト
☆つまみでもおかずでも、どんどんいけちゃう「簡単!梅しそ揚げ」
<作り方>
1. 手開きしたイワシの背ビレを切り離しておく。
2. 身側に軽く塩を振って、シソの葉と梅肉をのせる。
3. 身を頭側からクルクルと巻き、竹串で留める。
4. 小麦粉をつけて、170度の油で揚げる。
5. 揚がったら、竹串は引き抜いておく。
6. 器に盛り付けて、出来上がり♪
☆手開きに失敗したって平気!「救済、絶品つみれ汁」
1. 背ビレと背中の硬い部分を切り離し、取り除いておく。
2. 包丁で細かくたたく。
3. 団子状に丸める。
4. 出汁をとる。500mlの水に昆布10gを入れて火にかける。沸騰直前に昆布を引き上げ、鰹節15gを入れる。
5. つみれを煮る。
6. 碗によそって、お好みで三つ葉などを飾ったら、出来上がり♪
参考
オリーブオイルをひとまわし
料理人が教える 魚の捌き方と仕込み 監修・宮川昌彦/成美堂出版