今が旬のいちご
生のイチゴは石器時代からヨーロッパ、アジア一帯で食べられてきました。現在のようなイチゴが栽培されはじめたのは200年ほど前のことです。南アメリカから持ち込まれた品種と、北アメリカから持ち込まれた品種が自然交雑したものといわれています。日本には江戸時代の終わり頃にオランダから伝わりましたが、そのときには定着せず、その後明治32年頃にフランスの品種が導入されたことで本格的な栽培が始まりました。本日は、イチゴよもやま話を見ていきます。
健康なイチゴを紅白のめでたい贈答品にいかが?
子供から大人まで人気のイチゴは、おいしいだけでなく、ビタミンCが豊富に含まれている果物です。中ぐらいの大きさなら5~6粒も食べれば1日の所要量(100mg)を満たしてくれます。
イチゴはビタミンCが豊富で風邪予防や美肌効果が期待できます。また、血を作るビタミンといわれている「葉酸」も豊富に含まれているので、貧血予防にも効果的。さらにイチゴには血糖値の上昇やコレステロールの吸収を抑制する食物繊維のペクチンも含まれています。
ブドウほどではありませんが、イチゴにもポリフェノールの一種「アントシアン」という色素成分が入っていて、発がん抑制作用にも期待できます。
さて、白いイチゴがあるのをご存知ですか?このイチゴは熟しても赤くならず全体が白いのが大きな特徴で、ほのかにピンク色になることもあります。見た目は未熟のようですが、味は甘酸のバランスがよく、普通のイチゴと変わりません。香りもよく贈答用として人気なのだそうです!山梨県の種苗会社と福島県内の育種者が開発しました。
公募によって名前がついたイチゴ「あまおう」の由来は?
栃木県生まれの「とちおとめ」は「久留米49号(とよのか×女峰)」と「栃の峰」の交配種です。平均15g前後と女峰よりも大きくて日持ちもよく、また酸味が少なく甘味が強いのが特徴。現在、東日本のシェアNo.1の品種です。とちおとめは糖度が高めでほどよい酸味を持ちます。また、果汁が豊富で果実がしっかりしているので比較的日持ちがよいのも魅力です。基本的には果実が大きくて円錐形のものが良品です。ただ、自宅用としてなら形にこだわる必要はありません。小粒でも甘くておいしいものもあります
福岡生まれの「あまおう」の特徴の1つはサイズの大きさです。とよのかに比べ平均で約1.2倍程度の重さがあり、見た目も丸みがありかわいらしい形をしています。味も甘味と酸味が調和し、いわゆる「濃い味」になり、外観と食味のよさから需要が高まりました。果肉はかためですが果汁が多くてジューシーです。親しみやすい「あまおう」という名前は、県内での公募によって命名されました。「赤い」「丸い」「大きい」「うまい」の頭文字を合わせたもので、「甘いイチゴの王様になれるように」との意味も込められているそうです。
熊本生まれの「ひのしずく」は8年の歳月をかけて、さちのか×栃の峰を掛け合わせたイチゴと、久留米54号と栃の峰を掛け合わせた品種を両親にもち生まれてきました。果皮はやや、やわらかく、みずみずしくて甘味があり酸味は控えめです。
静岡県生まれの「紅ほっぺ」少し長円錐形なので、短いものよりは長いもののほうが標準的な形に近いといえます。紅ほっぺという名前の由来は、果皮や果肉が美しい紅色をしていること、そしてほっぺが落ちるような食味のよさを表現しているそうです。サイズが大きく、甘味は強いですが酸味もやや強いのが特徴です。イチゴ本来の甘酸っぱさと深い味わいを堪能できる品種といえそうですね!
始まっています。イチゴ狩り!美味しいイチゴを選ぶには?
美味しいイチゴの選び方のコツは、果皮のツブツブがクッキリしていて、へたが青くて元気なものを選ぶこと。また表面に傷がなく、ツヤのあるものを選びましょう。果皮の色の濃淡は品種によって異なりますが、赤が均一で鮮やかなものがよいでしょう。ただし、イチゴは収穫後も赤くなる性質があります。果皮が赤くても、へたに鮮度がなくて、香りを感じないものは要注意です。熟す前に摘まれて、時間の経過で着色した可能性があります。パックで販売されている場合は、底に傷んだものや色の薄いものがないかもチェックしましょう。
イチゴ狩りの場合は、全体が赤く染まってへたが反り返り、へたの下の部分に小さな裂け目ができているものがおすすめです。イチゴは完熟すると、果実がふくらんでへたの下にひび割れができます。
イチゴの花言葉は?
イチゴの花言葉は「幸福な家庭」「あなたは私を喜ばせる」。
白い小さな一輪の花からみずみずしくふくよかな真紅の果実に結実していく様子、親株から次々とランナーが伸び、株が増えていく様子は、発展や希望をイメージさせますね。イチゴのモチーフが、食器や小物に多くあしらわれ愛されてきたのも頷けます。
2月15日はイチゴの日、店頭にならぶイチゴを、楽しく選んで、美味しくいただいてください!