梅雨空が気になるこの頃ですね。今日6月6日はどんな日?いくつかある中でご紹介したいのが「邦楽の日」です。邦楽というと、今では音楽のジャンルの一つとなり、日本古来からの楽器を使う音楽を純邦楽と呼ぶそうですが、ここではあえて伝統的な日本の音楽を「邦楽」と呼びます。どこでどんな風に聴くことが出来るのか?また、この季節ならではの音についても触れてみたいと思います。
意外と新しい「邦楽の日」
「6歳の6月6日からお稽古を始めると上達する」と言われるようになったのは、世阿弥(1363-1443)が残した『風姿花伝』の中の一説に由来すると言われています。その後、江戸時代に武士のたしなみとなった能楽にその理念が広まったものと考えられ、6月6日は「お稽古の日」「楽器の日」「いけばなの日」でもあります。さて、「邦楽の日」は1985年に制定され比較的新しい記念日です。邦楽という言葉の意味は「日本の楽器、またその楽器による演奏」(旺文社国語辞典)を指すものですが、記念日が制定された1980年代はさまざまなブームが発生した時代でもあります。邦楽関係では歌舞伎もこの時代から20代の女性にも広がりを見せ始めました。写真のように好きが高じて邦楽のお稽古を始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
邦楽の殿堂と言えば、こちらは外せない!
制定から34年がたった今…どこへいけば聴けるものなのでしょうか?本格的な邦楽の演奏というと、能楽や歌舞伎、雅楽、またそれぞれの楽器の演奏会などを思い浮かべますね。これらの上演はもちろん、落語の出囃子(でばやし)や日本舞踊にも欠かすことのできないものです。歌舞伎では演奏のみならず、効果音としても代表的な和楽器である太鼓が雪がふる音に使われていますので、観劇する際には耳を澄ましてみてくださいね。そしてこれらの上演が一堂に会しているのが、国立劇場(東京・千代田区)です。大劇場・小劇場・演芸場、さらには伝統情報館が同じ敷地内にあり、鑑賞するだけでなく、学ぶこともできます。今年は明治150年記念事業も行われており、多くのイベントも開催されますのでぜひチェックしてみてください!(詳細はリンク参照)
雨の季節だからこそ、の音も楽しみましょう!
最近では異常気象などと言われ、季節の移り変わりが乱れていると感じることもありますが、それでも春夏秋冬があり、梅雨がある。だからこその「音」も楽しみたいものです。季語では梅雨に降る雨を「五月雨(さみだれ)」と言いますが、しとしとと降る雨音を絶妙に表現した言の葉の音だと思いませんか?先ほどは「しとしと」と記しましたが、強く降る雨は「じゃぶじゃぶ」や「ざーざー」、降り始めや止みかげんの音は「ぽつぽつ」などと表わしますね。降りやんだころに滴が落ちる音もまた、いろいろです。梅雨の時期に屋内にいると少し滅入ってしまうこともありますが、そんな時は窓辺に寄って、雨音を観察してみるのも季節の楽しみの一つです。好奇心を発揮して、楽しく過ごしたいものですね。