2017年の流行語大賞トップ10にも選ばれた「睡眠負債」。わずかな睡眠不足でも、常態化すれば負債という形で蓄積し、心身共に悪影響をおよぼすことが知られるようになりました。
とはいえ、仕事や忘年会など、なにかと忙しいこの時期に、睡眠時間をしっかり確保することは至難の業ですよね。
そこでおすすめの方法が、効率的に仮眠をとること。仮眠と好相性なのが、意外にもコーヒー。コーヒーを一日の中に上手に取り入れることで、効果的な仮眠がとれるのです。では早速、その方法をご紹介しましょう。
睡眠時間が6時間以下の人の割合は4割近くにも。睡眠時間が圧倒的に少ない日本人
理想の睡眠時間は、働き盛りの成人で、大体7時間適度と言われています。毎日しっかり睡眠を取っていると胸を張れる人は、少ないのではないでしょうか。
国の国民栄養・健康調査によれば、睡眠時間が6時間以下の人の割合は、2008年では全体の3割未満でしたが、2015年には4割近くにも増えています。
また、2011年にOECDが行った国際比較調査によると、睡眠時間は男女共に加盟国中最下位の短さであることも分かっています。
日本人の睡眠時間は、ほかの国々と比べても短く、足りていない人が多い状態にあると言えるのです。
「ナイキ」「グーグル」でも仮眠を推奨。15分〜25分程度のお昼寝が◎
日々の睡眠不足は蓄積していくので、寝不足傾向にある場合は、いつもより早く寝る習慣を心がける必要があります。とはいえ、忙しい時期に睡眠時間を確保するのは難しいことも多いでしょう。
そこでおすすめしたいのが、「お昼寝=仮眠」です。
この仮眠というのは、パワーナップと言われ、欧米のビジネスシーンでは、すでに取り入れられているのですね。有名なところでは、ナイキやグーグルなどで、パワーナップを推奨する環境が用意されています。
ただし、仮眠にも注意点があります。それは「仮眠時間は15分〜25分程度が◎」ということ。
30分以上睡眠をとると、睡眠惰性と言われる状態に入り、脳が本格的な睡眠に入ってしまいます。そうなると、せっかく昼寝をしたのに頭がボーッとして余計に疲労感が増してしまうのです。
最低でも寝るのは30分までで、パチッと目覚めること。午後のパフォーマンス向上のためにも大事になります。
しかし、眠たいという欲求と闘うのは、意外と大変。そこで登場するのが、コーヒーなのです。
コーヒーを飲んで仮眠する「Coffee Nap(コーヒーナップ)」。カフェイン効果で20分後に覚醒
ここで紹介したいのが、「Coffee Nap(コーヒーナップ)」と呼ばれる方法で、コーヒーを飲んで昼寝をすると仕事の効率がアップする意味から作られた言葉です。
Coffee Napは、仮眠を取る前にコーヒーを飲むというものなのですが、コーヒーに含まれるカフェインは、血液中に取り込まれるまでに、約20分かかります。
これを利用すれば、仮眠して20分経ったころにちょうど脳がカフェインの影響を受けて覚醒状態に入るというわけです。
簡単に言えば、
●コーヒーを飲む
●仮眠をとる
●20分後にカフェインの効果が現れ、スッキリ目覚めて頭もクリアになる というわけ。
ドライブシュミレーターでの操作テストや、記憶力テストでも、コーヒーナップをした被験者、同時間の仮眠をとっただけの被験者を比べた場合、いずれもコーヒーナップを行った被験者の方が、操作ミスが少なく、記憶力もいいという結果が出ました。
コーヒー×仮眠は、少しの時間がとれれば、誰にでも簡単にできるものです。
冬は日照時間が短いため、夏に比べて、体が求める眠る時間は長くなる傾向があると言われてます。朝の目覚めをスッキリさせるためにも、昼の空いた時間にCoffee Napを取り入れて、ぜひ、忙しい冬を乗り切ってくださいね。