11月も終わりが近づき、今年も残りあとわずかとなりました。みなさんにとって、今年はどんな年だったでしょうか。一年の終りに、その年に撮影した写真を見返す方も多いかと思います。
実は11月26日は、世界ではじめてインスタントカメラが発売された日なんです。「今年はあまり写真を撮らなかったかも…」という方も、この日を機会に、2017年の思い出を写真に収めてみてはいかがでしょうか。
今回は、カメラの歴史や逸話をご紹介します。
カメラのはじまりは、壁に空いた穴?
カメラのはじまりとなったもの、それは、壁に空いた穴でした。紀元前には既に、壁に空いた小さな穴を通ってきた光が外の景色を映し出すことが発見されていました。当時の人々は、穴をあけた小さな暗い部屋に景色を映し出して楽しんでいたようです。外の景色を映し出すこの装置は、小さな暗い部屋を意味する「カメラ・オブスキュラ」と呼ばれ、後に持ち運べるくらいの大きさのものへと改良されます。
暗い箱の中に映し出される景色…。この仕組み、どこかで耳にしたことはありませんか?そうです。理科の授業などで教わったピンホールカメラは、この仕組みを利用して発明されたものなんです。
この装置は、15世紀ころに画家たちの間で大流行。映し出された映像を使って、本物そっくりの絵を描いていました。その後も改良が重ねられ、凸レンズを使った装置が発明されたのです。
撮影時間は8時間!?感光材料を使用した写真撮影
19世紀ころ、感光材料を使用した写真撮影ができるようになります。感光材料とは、今でいうところのフィルムや印画紙などのことです。はじめて感光材料として使用されたのは、なんと「アスファルト」でした。1826年、フランスのニエプスという人物は、アスファルトを使用して1枚の写真を完成させました。一枚の写真を撮影するためにかかった時間はおよそ8時間。アスファルトを使って写真を撮ったことにも驚きですが、1枚の撮影に8時間もの時間が掛かるとは、今のカメラからはとても考えられないですよね。
その後銀板を使用したカメラが発明され、撮影時間がおよそ30分にまで短縮されます。日本にはじめて伝わった写真は、この「銀板写真」です。銀板写真は、薩摩藩の第11代藩主・島津斉彬をはじめとして当時の有名人物たちの姿を写してきました。
さらに改良を重ね、今度はガラスを使用した「湿板写真」というものが発明されます。あの有名な坂本龍馬の写真は、この湿板写真なんだそうですよ。
私たちの生活を切り取るカメラの発展
アスファルトから、銀板、ガラス。その後さらにゼラチンやセルロイドを使ったものが発明されます。
そして、感光材料だけではなく、カメラの形にも変化が現れてきました。それまでのカメラはとても大きく、写真屋さんが使う仕事道具でした。しかし1903年、現在のコニカミノルタがアマチュア向けのカメラ「チェリー手提暗函(てさげあんばこ)」を発売します。さらに1925年には、ポケットに入るサイズのカメラがドイツで発売。1948年にはアメリカでポラロイドカメラが発売されます。
そして現在はスマートフォンで簡単に撮影ができるようになりました。長い年月をかけて写真撮影は私たちの生活に馴染みの深いものとなったのです。写真は、私たちの生活の一瞬一瞬を切り取ってくれます。2017年も残りわずか…。カメラを持って今年の思い出を撮影しに出かけてみてはいかがでしょうか。
<参考・参照サイト>
日本カメラ博物館
canon