先週は都心で22年ぶりに朝の気温が15度を下まわる日があり、いわゆる「梅雨寒(つゆざむ)」の空模様となりました。これから本格的な梅雨シーズンに突入しますし、冷房の風にあたる機会も増えますので、オフィスや自家用車内などに薄手の羽織ものを用意しておくと便利ですね。
さて、今週は「おにぎりの日」からスタートです。日本人のソウルフードでもある「おにぎり」ですが、国内でのコン国内外を問わず大人気のおにぎり! ただし、手軽に作れるからこそ食中毒が心配ともいえますので、おにぎりを作る際の注意ポイントを、この機会にしっかり押さえておきましょう。
おにぎりの日とは
1987年、石川県鹿西町(現・中能登町)の弥生時代後期の遺跡から炭化したおにぎりが発見されました。どんな形でおにぎりが発見されたのか気になりますが、このおにぎりは日本最古のものとされ、鹿西町は“おにぎりの里”として知られるようになりました。そこで鹿西町では、鹿西(ろくせい)町の“6”と、毎月18日の米食の日を合わせて、6月18日を「おにぎりの日」として制定したのです。
ちなみに「米食の日」とは……
“米”という漢字が「十」と「八」に分解できることから、毎月18日は「米食の日」と定められています。これは米の消費を拡大するため、1978年に三重県が制定しました。
おにぎり・おむすび・おにぎらず
呼び名や形の違いは諸説あり、本当のところはよくわかっていませんが、その中のいくつかをご紹介しましょう。
■おにぎりの呼び名の違い
まずは、地域偏差があげられます。関西では「おにぎり」、関東では「おむすび」と呼ぶ傾向にあるようです。
■おにぎりの形の違い
二つ目は、形に着目した説です。「おむすび」は古事記に記された万物の産みの神「むすびのかみ」に由来。古来より日本人は山を神格化しており、神の力を授かるため、ご飯を山形に握って食べたのが「おむすび」の始まりと言われています。そのため、「おむすび」=三角形とする説です。
一方、「おにぎり」は握り飯が転じたものであり、握っただけの形=俵形のものを指します。
■おにぎりならぬ、「おにぎらず」とは?
最近話題の「おにぎらず」は、握らないおにぎりのこと。おにぎりの進化系の新たな名称といえます。人気のグルメ漫画で紹介されたのが始まりとされています。
夏場は食中毒に注意!
実は梅雨時期は、おにぎりによる食中毒が多発しています。
主な原因は、黄色ブドウ球菌。これは手や鼻の粘膜などに身近に存在する細菌です。特に、手や指先が荒れたり、傷口がある人は細菌が繁殖しやすいので注意が必要です。
食中毒を予防する原則は、「菌をつけないこと」です。食中毒を防ぐおにぎり作り方のポイントは以下の4つです。
■食中毒を防ぐおにぎり作り方のポイント
①ご飯を冷ましてから握る!
温かいご飯は湿気で菌が繁殖しやすくなるので、しっかり冷ますのがポイントです。ボウルに入れてうちわなどで扇ぐと冷めやすくなります。
②素手で握らない!
ラップや使い捨ての手袋を使用しましょう。最近は100円ショップなどで、素手を使わず握る便利グッズも売っているので、活用するのもひとつの手ですね。
③梅干や酢を上手に活用する!
梅干や酢は抗菌作用があるので、ご飯を炊く際に少量入れましょう。分量は【米3合に対して、お酢小さじ1杯。もしくは、梅干1個】です。炊きあがったご飯を酢飯にしたり、刻んだ梅を混ぜ込んだりしても効果的です。
④海苔は食べる前に!
ご飯が温かいうちに海苔を巻くのは、細菌が繁殖しやすくなるので避けましょう。海苔は冷めてから巻くか、別に用意して食べる前に巻きましょう。
── 近年はおにぎり専門店もたくさん登場しています。家ではなかなか作れないバラエティに富んだ具材のおにぎりも販売されているので、見かけたらぜひ、味わってみましょう。