日に日に日射しが強くなる今日この頃。週末ともなれば野外レジャーに出かけるご家族やグループも多いですね。
みんなが楽しめるこの時期のレジャーといえば……そう、BBQですね! 屋外で肉や野菜を焼いて食べる……ただそれだけのことなのに、どうしてあんなに楽しいのでしょう。
でも待って! BBQは楽しいばかりではありません。実は多くの危険が潜んでいるのです。
今回は、BBQ時の火の取り扱いを中心に気をつけてほしいポイントをまとめました。BBQ前にぜひご一読ください!
軍手は×。Tシャツ、サンダルも避けて!
早速ですが、BBQにお出かけの際は、以下の点について注意が必要です。
■着火剤や燃料の取扱いは慎重に
短時間で炭や薪に火をおこせる着火剤は、BBQではおなじみのアイテムですよね。ところが、便利な着火剤も使い方を間違えると大惨事につながりかねません。
燃料から炎が上がっていないと「あれ、火が消えちゃったかな?」と心配になり、チューブ入り着火剤を追加投入してしまう人がいるのですが、コレは絶対やってはいけません! 着火剤に引火したことで衣類や皮膚に飛び火し、やけどを負う恐れがあります。もちろんガソリンやアルコールを注ぐのも非常に危険な行為ですので、十分に注意しましょう。
■放射熱を忘れずに
放射熱とは、熱が電磁波として物から物へ直接(空気のあるなしにかかわらず)伝わることをいい、直射日光にあたると体が温かくなるのもそのひとつ。日陰のように日光を遮るものがあると、途端に涼しくなりますよね。
同じように、炎が見えていなくても炭の熱は放射熱によって周囲のモノに伝わっています。グリル付近に置いていたトングなど金属製のモノが気づかないうちに高温になっていることがありますので、注意しましょう。さらに、燃料、着火剤、ライター、ガスボンベなども発火の恐れもありますので、放射熱が届かない場所に置くようにしましょう。
■軍手は使っちゃダメ
炭などで手が汚れるからでしょうか、BBQの時に軍手を使う人が多いのですが、これ、実はとっても危険な行為なのです。軍手はポリエステルなどの化学繊維製のものが多く、高温(255℃以上)で溶けてしまう危険があるからです。そのため、BBQ専用のグローブや皮製の手袋を使うようにしましょう。気になる人は専用ショップで販売されていますので、チェックしてくださいね。
■肌を露出した服装はNG
夏のBBQでよく見かけるのが「半袖、短パン、ビーチサンダル」という出で立ち。気持ちはわかりますが、火のまわりで作業するなら、この服装はNGです。当然ながら火の粉が皮膚に飛び移ることもありますし、うっかり炭を落として足に火傷を負う危険性もあるからです。よって、できるだけ肌を覆う服装を心がけて火を扱うようにしましょう。
■もしもの時のためにバケツ一杯の水を用意
「火が何かに燃え移った」「火傷を負ってしまった」といった緊急時に、手の届くところにバケツ一杯の水があれば素早く対処できます。バケツを準備するのが手間であれば、カラの状態の大きめのペットボトルを2〜3本持参し、BBQを始める際には、水を入れたペットボトルを火のまわりに事前に準備しておきましょう。
特に気をつけたい「着衣着火」と緊急時の対処法
軍手は危険とお伝えしましたが、化学繊維の服も同様に危険です。「着衣着火」といって衣服に炎が燃え移り、あっという間に火ダルマになってしまう事故も起きているのです。東京消防庁によると、平成25年度の着衣着火事故発生件数は51件。そのうち7名が死亡しています。
また、化学繊維でなくとも表面が起毛しているネルやパイルなどの生地は、燃え移った火が瞬間的に衣服全体にまわる「表面フラッシュ」という現象が起きやすく、大変危険です。洗濯を繰り返して生地が毛羽立ってしまった服も注意が必要です。ちなみに冬場のBBQなら、化学繊維や起毛素材のフリースの着用は避けましょう。
では万が一、着衣着火が起きてしまった時、まずどうすればよいのでしょうか?
突然のことに驚いて、火を消そうとやみくもに動きまわってしまう人も多いそうですが、かえって火を大きくしてしまうこともあります。また、近くのものに燃え移る危険性も……。
■服に火がついた時、すぐ行いたい対処法
■慌てて走りまわったり、動いたりしない
■次に、速やかに地面に倒れる(火が体の顔やのどに燃え上がるのを防ぐ)
■火のついた部分を地面にこすりつけるように転がる(火と地面を接触させてもみ消す)
こうした適切な対処をしても、火傷をしてしまうことがあるでしょう。その場合はまず、衣服を着たままの状態で、火傷をした部分を流水で冷やします。十分に冷やしたら、焼けた衣類を取り除きましょう。皮膚と生地がくっついてしまったら、無理に剥がそうとせず、そのまま病院へ行きましょう。水ぶくれは破かないことです。
―― 本格的なBBQシーズンはこれから! 事故など起こさず楽しい思い出となるよう、準備は万端にしておきたいものですね!