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二十四節気「清明」。いよいよお花見本番へ!春季玲瓏・春満開の日本です


出会いと別れ、そして辛い辛い花粉の季節…春。本日より暦の上では晩春となり、二十四節気「清明(せいめい)」となりました。今年は春になってからがめっきり寒く、各地で桜の開花が例年に比べ遅れ気味。けれども、これから気温が上昇するにつれ、春の陽気が増すとともに、日本列島は満開の桜花に染まりゆくのです。


暦の上では晩春に。卯月となり、緑輝き生命が清らかに輝くころ

卯月・4月となりました。旧暦4月の異名「卯月(うづき)」の由来は、卯の花「空木(うつぎ)」からとも、十二支の4番目の「卯(う)」を用いたとも、田に苗を植える「植(う)月」とも言われているようですが、二十四節気では本日4月4日から「清明」。

寒気のせいで冷え込む日が多かったこのごろですが、気が付けばいつの間にか春の日差しを浴びて、草木はぐんぐん緑の芽や葉を伸ばし、可憐な春の花たちが次々と開いています。

~万物発して清浄明潔なれば、此の芽は何の草としれる也~(暦便覧より)

今年はこれからが、お花見の本番。いつ見ごろになるだろう、まだかまだかと気になってきた桜も、いよいよ満開に。

うららかな陽光と春風に誘われて、浮き浮き弾む心で春欄満の花景色の中へでかけましょうか。


中国の国民的行事の一つ「清明節」は、あの世とこの世が交わるとき

さて、中国から伝来した伝統行事や風習が、日本独自の展開をたどったものの一つに「お墓参り」があります。日本では春秋のお彼岸やお盆に参りますが、中国ではこの「清明」のころに墓参します。

冬至から106日目。中国では「清明節」と呼ばれ、花見気分の墓参と、若草を楽しむ郊外散策&小旅行を行う日となっています。死者を弔う日が、種まきの季節と重なることから、ほがらかで陽気な墓参となっているようで、墓前でお供え物を囲んでの宴会も賑やかなのだそう。眩い陽光と満開の花のもと、あの世の者とこの世の者が境界を越え、賑やかに交感するこの日。いにしえより「清明の出会い」なるものも生まれ、新たな命の誕生にも繋がってきたのだそうです。

沖縄では、そんな中国から伝わったままの先祖供養のしきたり「清明節(シーミー)」が今も残っていて、家族・親族一同で先祖が眠る墓前に集います。掃除や草刈りをした後は、墓前にゴザを敷いてごちそうをいただく、ピクニックのようなひとときを楽しむのだとか。子孫たちが笑顔で仲良く会食する様子を、きっと、天の上からご先祖様たちが見守っていることでしょう。


七十二候・清明の初候は幸運の鳥「玄鳥至~つばめきたる~」

七十二候では、本日から「清明」の初侯・「玄鳥至~つばめきたる~」となります。スマートな燕尾服姿ですいすい飛ぶつばめたちが、越冬地である南から海を渡り飛来し、巣作りをはじめるころ。近隣の駅にも改札構内に毎年つばめが子育てにやってきて、乗降客に微笑ましい姿を見せてくれます。

つばめの訪れは、昔から商売繁盛、家内安全の印。軒先につばめが巣を作る家は栄えるという言い伝えもあり、毎年その飛来を楽しみにしているお宅も多いことと思います。

~春風の花を散らすと見る夢は覚めても胸のさわぐなりけり~(西行法師)

地上が萌え出る新緑と花で満ち、蝶が舞い、鳥たちが飛び交う「清明」のころ。

花といえば桜を思うこの国が、最も麗しく華やぐ花時が、今年もやってきたのです。

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