先週末は、今季最強くらすといわれる強い寒波がやって来て、多くの地域で降雪が記録されましたが、この時季、車で通勤している方にとって、朝のフロントガラスの凍結は頭の痛い問題です。
まずはエンジンをかけ、エアコンで車内から温めていくことが望ましいのでしょうが、これでは時間がかかってしまいます。貴重な朝の時間、1秒でも無駄にはしたくありませんよね。
だからといって熱湯をかけてしまうともっと大きな問題が生じることも……。今回は寒い朝にフロントガラスが凍ってしまった時の対処法について、ご説明します。
凍結時の初動操作は、デフロスターから!
雪や雨が降ったわけでもないのに、フロントガラスが凍るのは、空気中の水蒸気が凍っているためです。
この凍結をとり除くには、まず、デフロスターを作動させます。
デフロスターというと、耳慣れない言葉のように感じるかもしれませんが、あの扇型の四角に温泉の湯気のような波線が入ったマーク(画像参照)といえば、ピンとくるのではないでしょうか?
このデフロスターは、温かい空気をフロントガラスにあてて、曇りを除去する機能です。やや時間はかかりますが、フロントガラスの霜がとれるころには車内も温まり、快適なドライブが楽しめるでしょう。
お湯をかけるのはNG?
そうはいっても、忙しい朝、そんなにのんびりはしていられないという方の中には、「手っ取り早く、お湯をかける」という方もいるかもしれません。
しかし、冷たいフロントガラスに熱湯をかけてしまうのは考えものです。
例えば、「コップに熱いお湯を入れたら、割れてしまった」という経験をした方はいらっしゃると思います。
これはなぜかというと、熱湯を入れるとコップの内側は急激に熱せられて膨張しますが、外側の温度はあまり影響を受けずにそのままで、歪みが生じて割れてしまうため。
さらに、薄いコップより厚いもののほうが、内側から外側へ熱が伝わりにくく、熱膨張の差も大きくなるため、割れやすいといえます。
当然、フロントガラスも同様です。
いきなり熱湯をかけてしまうと、突然の温度差によって、フロントガラスが割れてしまう可能性があります。
さらにフロントガラスは厚みもあるうえ、もし事故が起こった時に割れたガラスが飛散しないよう、通常2枚のガラス板の間に中間膜を合わせた3層構造になっています。それぞれ素材によって熱による膨張率が異なりますので、急激な温度変化によって、最悪の場合、割れてしまう恐れもあるというわけです。
「どうしても」というのであれば、熱いお湯ではなく、ぬるま湯か常温の水程度にしておいたほうがいいようです。ただ、水の量が少ないと、すぐに再凍結してしまうこともありますので量は多めに。またその際、ワイパーも作動させておきましょう。
スクレイパーを使う
フロントガラスの霜をとるのに、比較的手軽に使えるのがアイススクレイパーです。
霜をヘラ(スクレイパー)でこそぎ落とすというシンプルな対処法。何回も使えるという点では、コストパフォーマンスにも優れています。
フロントガラスに傷がつくのでは……と不安に思う方もいるかもしれませんが、購入する際にカー用品店などショップの店員など詳しい人に相談しながら選ぶ、使用時にあまり力を入れすぎないなど注意すれば、問題はないと思います。
また、あらかじめフロントガラスに撥水材を塗布しておくと、霜をとり除きやすくなります。
解氷剤を使う
より手軽な方法といえば、解氷剤を使うという方法もあります。
すぐに霜をとり除けますし、再凍結しないものも多いようです。
フロントガラスに吹き付けるスプレータイプのほかに、解氷剤入りのウィンドウォッシャー液もあります。ウォッシャー液をかけてワイパーを作動させれば霜をとることができます。ただし、これらは消耗品です。
費用が気になる方は、アルコールを用いた手作りの解氷剤の作り方を紹介したサイトもありますので、参考にされるといいかもしれません。
── 冬もこれからが本番。まだまだ寒い日は続きそうです。
今回はフロントガラスが凍ってしまった時の対処方についてご紹介しましたが、夜のうちにあらかじめカバーをかけておくと、凍結しにくく、翌朝の手間もかなり省けそうですので、気になる方はお試しください。