私たちが暮らす日本では「だて巻」「黒豆」「お雑煮」など、様々な正月料理があります。日本における正月料理は、新年を迎える楽しみの一つでもありますよね。
それでは「海外の正月料理」にはどんなものがあるのでしょうか。今回は、私たちに馴染みの薄い「海外の正月料理」についてご紹介します。
残り物には福がある? アメリカ南部の「ホッピン・ジョン」
日本のおせち料理の一つである黒豆は「元気」「丈夫」を意味する縁起の良い食べ物とされていますが、実はアメリカ南部でも豆は福を呼ぶ食べ物とされていました。
アメリカ南部には、「ホッピン・ジョン」という伝統料理があります。この料理は、ブラック・アイド・ピー(黒目豆)という豆とお米を使った料理です。 ブラック・アイド・ピーは、現地ではコインと幸運の象徴とされています。そのため、アメリカ南部では福を呼び込むためにブラック・アイド・ピーを使ったホッピン・ジョンを食べるのだそうです。
さらに、元旦の残り物として1月2日に食されるホッピン・ジョンは「スキッピン・ジェニー」と呼ばれ、通常のホッピン・ジョンよりもさらに縁起の良いものとされています。
幸運のコインを引き当てるのは誰だ! ギリシャの「ヴァシロピタ」
フランスの「ガレット・デ・ロワ」やイギリスの「クリスマス・プディング」など、コインや小さなおもちゃを入れて焼いたケーキがあることは有名でしょう。
その中でも、ギリシャの料理である「ヴァシロピタ」は、その年の幸運を占うものとして食されるケーキです。ギリシャでは元旦に「ヴァシリス」と呼ばれるサンタさんがやってくるとされており、ヴァシロピタとはこのサンタさんの名前に因んでいるのだそうです。
ケーキは年長順に切り分けられ、ケーキの中に入れられたコインを引き当てた人には、その年に幸運が訪れるとされています。まるで日本のおみくじのようですよね。今年はおみくじの代わりに、コイン入りのケーキを用意してみてはいかがでしょうか。
普通の餅に飽きたらお試しあれ!フィリピンの「スーマン」
日本の正月の食卓に並ぶ餅。食べ過ぎて飽きてしまった、なんてことありませんか?そんな時に試してみたいのが、フィリピンの「スーマン(スマン)」というもち米料理です。
これは、もち米にココナッツミルクを加えたものをバナナの葉で包んで蒸した料理です。日本ではバナナの葉が手に入りにくいため、もち米をココナッツミルクで炊き、煮小豆やきな粉、黒砂糖などと一緒に食べるといったレシピもあるようです。
フィリピンで餅が縁起の良いものとされている理由には諸説あるようですが、一説では餅の「煮え方」に理由があるとのこと。はじめは鍋の底に沈んでいる餅が、煮えると浮かび上がってくる光景から、縁起の良いものと考えられるようになったそうです。
日本の正月料理として定番の「餅」ですが、フィリピンでも正月料理として食されているとは驚きですね。
今回は「海外の正月料理」の一部をご紹介しました。「定番の正月料理、飽きちゃったなー」、なんて時、挑戦してみてはいかがでしょうか。ちょっと変わった正月料理を前に、家族や友人との会話も自然と弾んでくるかもしれませんね。