
7月の暑さは長期的。連日災害級の暑さが続き、国内の歴代最高気温を更新しました(兵庫県丹波市で41.2℃)。一方、晴れた日が多くなったため少雨となり、水不足となっている地域があります。また、台風の発生数が平年を上回り、台風5号が北海道に上陸しました。
●7月は記録的高温 国内の歴代最高気温更新41.2℃
1日に気象庁が発表した「2025年7月の天候」によると、7月は偏西風が平年より顕著に北に偏って流れ続けた影響で、北・東・西日本は暖かい空気に覆われました。その上、太平洋高気圧が本州付近に張り出したため、北・東・西日本では晴れて気温が高い日が多くなりました。
月平均気温は北・東・西日本でかなり高く、月平均気温平年差がそれぞれ+4.5℃、+2.7℃、+2.2℃となり、1946年の統計開始以降、7月として1位の高温となりました。
特に、29日は、全国914観測点中、35度以上の猛暑日になった所は322地点に上り、比較可能な2010年以降で最多記録となりました。東北でも岩手県北上市で38.3度、山形県米沢市で38.5度など、地点ごとの観測史上最高記録を更新する所が続出しました。
また、30日は、兵庫県丹波市柏原(かいばら)町では14時39分に41.2℃を観測し、国内の歴代最高気温を更新しました(これまでの国内最高気温は、埼玉県熊谷市と静岡県浜松市で観測した41.1℃)。
●日本海側を中心に少雨で多照 水不足心配
月降水量は、梅雨前線や湿った空気の影響が弱かったため、北・東・西日本日本海側と北日本太平洋側でかなり少なく、東・西日本太平洋側では少なくなりました。東日本日本海側では月降水量平年比が8%で、1946年の統計開始以降、7月として1位の少雨となりました。
ただ、日中の気温上昇や暖かく湿った空気、上空の寒気などの影響で、午後は大気の状態が不安定になった日がありました。局地的に猛烈な雨が降り、特に10日は「記録的短時間大雨情報」がこの日だけで31回も発表されました。
また、台風や湿った空気の影響を受けやすかった沖縄・奄美では月降水量はかなり多く、記録的な大雨となった所がありました。
月間日照期間は、太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多かった北・東・西日本日本海側と北・東・西日本太平洋側でかなり多くなりました。東・西日本日本海側では、月間日照時間平年比がそれぞれ190%、176%となり、1946年の統計開始以降、7月として1位の多照となりました。
●台風は平年より多く発生 15日には北海道に上陸
今年は台風1号の発生が6月11日と、過去5番目の遅さでしたが、7月下旬に台風7号・8号・9号と3個立て続けに発生。7月はこれで7個の台風が発生し、7月までの発生数は平年を上回っています(平年1月~7月で約8個発生)。
そのうち、台風5号は7月13日に発生し、2日後15日には北海道襟裳岬付近に上陸しました。今年、台風が日本に上陸するのは初めて。台風が北海道に上陸したのは、2016年以来9年ぶりで、7月に北海道に直接上陸したのは、観測史上初めてです。
●8月も厳しい暑さが続くが、日本海側では恵の雨も 最新の1か月予報
この先1か月(8月2日~9月1日)も北日本から西日本は平均気温が平年より高く、厳しい暑さが続くでしょう。引き続き熱中症に警戒が必要です。
一方、北日本や東日本の日本海側では、低気圧や前線、湿った空気の影響を受ける時期があり、降水量は平年並みか多いでしょう。水不足となっている地域には恵みの雨となりそうです。