
本州付近には太平洋高気圧が強力に張り出しており、猛暑をもたらす「鯨の尾型」の気圧配置となっています。今週末も東北から中国地方にかけてはおおむね晴れますが、気温が上がると大気の状態が不安定になるため雷雲の発生には注意してください。北海道には気圧の谷が接近して雨が降りやすいでしょう。四国と九州は台風8号の周辺を回る湿った空気が流れ込んで雨が降りやすい予想です。
●衛星画像 猛烈な暑さの要因のひとつに「鯨の尾型」気圧配置
まず雲の様子を見てみましょう。
本州付近には太平洋高気圧が大きく張り出して晴れているところが多くなっています。高気圧の中心が日本の東と朝鮮半島付近に分かれているため、目安となる等圧線を結ぶと一部がくびれたような特徴的な形になっています。この形が鯨の尾びれのように見えるので「鯨の尾型」と呼ばれており、晴れて全国的に厳しい暑さになりやすい気圧配置として知られています。しかも「鯨の尾型」気圧配置は持続しやすく、晴天と厳しい暑さが長く続きやすいのです。今週になってから日本列島は記録的な猛暑が続いていましたが、「鯨の尾型」気圧配置も暑さの一因であったと思われます。
一方、南西諸島周辺や日本の南の海上では台風8号、9号の発達した雲が広がっています。いずれの台風も今週末の山岳への直接の影響はありませんが、台風8号周辺の湿った空気が四国や九州に流れ込み、26日(土)は九州南部で線状降水帯が発生するおそれがあります。大雨への警戒が必要です。
●予想天気図 高気圧の周辺部では天気崩れる見通し
予想天気図を詳しく見てみましょう。
26日(土)は太平洋高気圧が本州付近に張り出して「鯨の尾型」のような気圧配置が続く予想です。東北から中国地方にかけては朝はおおむね晴れる見込みです。ただし気温の上昇とともに大気に状態が不安定になり、山地では昼ごろからどこで雷雲が発生してもおかしくありません。急な激しい雨や雷雨に十分注意してください。
一方、高気圧に覆われていない北海道と四国、九州では天気が崩れる予想です。北海道は低気圧の通過に伴って雨が降りやすく、日中は標高が高い山で西寄りの風も強まるでしょう。九州は台風8号の周辺を回る非常に湿った空気が流れ込み、南西方向から雨雲が次々に流れ込んできます。九州南部では線状降水帯が発生するおそれがあり、今後の情報に十分注意してください。また南西の風が風速10メートルから20メートルの強さで吹くためシビアなコンディションになるでしょう。四国にも台風8号周辺の湿った空気が流れ込むため雲が広がりやすく、雨の降るところがあるでしょう。
27日(日)も太平洋高気圧が本州付近に張り出す予想です。東北から中国地方にかけては引き続き朝は晴れて、気温の上昇とともに昼ごろから雷雨となるところがあるでしょう。早出早着を心掛けて登山を楽しみましょう。北海道は低気圧の通過に伴って引き続き雲が広がりやすく、雨の降る所があるでしょう。四国では天気が回復に向かいますが、九州の山には南西の風が強く吹き付けるため、まだ一部で雨が降るところがある予想です。