
気象庁は今日12日、この先の1か月予報を発表。西・東日本は梅雨の真っ最中ですが、ひと足先に太平洋高気圧が勢力を増し、まるで梅雨明けのような強烈な日差しと暑さが続く見込み。晴れても局地的大雨に注意。一方、東北も梅雨入りが迫り、北日本は日本海側中心に雨量多い。
●数値予報モデルによる予測結果
気象庁は今日12日(木)、この先の1か月予報を発表しました。
1か月平均の海面気圧(左図)は、日本付近から東海上にかけて「太平洋高気圧が強く」予測されています。一方、中国東北区からオホーツク海付近の気圧は平年より低く予測され、北日本では日本海側中心に太平洋高気圧の縁を回る湿った空気が流れ込みやすく、低気圧や前線の影響を受けやすい時期があるでしょう。
東北でも梅雨入りが迫り、今日12日(木)に日本気象協会が発表した梅雨入り予想によると、東北南部は6月14日(土)頃、北部は6月15日(日)頃に梅雨入りする見通しです。北日本の日本海側はこの先1か月の降水量が平年並みか平年より多くなるでしょう。梅雨のない北海道も季節外れの大雨になる日もあるため、注意が必要です。
一方、東日本太平洋側、西日本、沖縄・奄美では太平洋高気圧に覆われやすい時期があるでしょう。特に、日照時間は東日本の太平洋側と西日本で平年並みか多い見込みです。まだ梅雨の期間は続くものとみられますが、「まるで梅雨明け」のような強い日差しが照り付ける日が多くなりそうです。
なお、上空約1500mの気温(右図)は、全国的に平年より高いと予測されています。気温が上がるにつれて、雨雲の元になる水蒸気を大量に含むことができるため、「晴れる日も局地的な大雨」には十分な注意が必要です。
●梅雨を通り越えて真夏並みの暑さ
この先1か月の気温は、全国的に気温は平年より高くなる見込みです。
気温の予想は、6月14日(土)~7月11日(金)にかけてどの期間をとってもいずれも「平年より高い」でしょう。梅雨前線はしばらく日本海で停滞することが多く、日本付近には平年よりも暖かい空気が流れ込む上に、気温だけでなく湿度も高い状態が続くでしょう。体感的には「まるで梅雨明け」のようなかなり蒸し暑く感じられる日が増える見込みです。
湿度が高くなると、熱中症へのリスクが一段と高まります。梅雨の晴れ間はもちろんのこと、曇りや雨の梅雨空の日でも、暑さ対策を欠かさずに行ってください。
●九州~北海道の広範囲に「10年に1度」レベルの高温予想も
気温はこの先1か月を通して、全国的に高い予想ですが、中でも期間の前半に「かなり高くなる」見込みです。
今日12日(木)、気象庁は沖縄・奄美を除く、九州~北海道にかけてを対象に「高温に関する早期天候情報」を発表しました。
九州南部、九州北部、中国、四国、近畿、東海、北陸、関東甲信、東北、北海道はいずれも6月18日(水)頃から、その地点においてこの時期としては「10年に一度」レベルの高温が予想されています。
目先では来週中頃に高温のピークとなり、近畿や東海、関東の内陸部を中心に35℃以上の猛暑日が出たり、中には体温を上回るような危険な暑さになる所も出てくる可能性があります。熱中症のリスクが高い場合には「熱中症警戒アラート」が発表されます。情報に注意し、暑さに弱いお年寄りやお子さんにはいつも以上に気を配って、できるだけ気温の上がる時間帯は外出を控えるなどの対策が必要です。真夏と同様に暑さ対策を万全に行って、熱中症に十分気を付ける必要があるでしょう。
※高温に関する早期天候情報は、その時期としては10年に1度程度しか起きないような著しい高温となる可能性が、いつもより高まっているときに、6日前までに注意を呼びかける情報です。6日先から14日先までの期間で、5日間平均気温が「かなり高い」確率が30%以上と見込まれる場合に発表されます。