27日の投票日の天気は西からゆっくり下り坂でしょう。雲が多く天気はすっきりしませんが、日中は雨や風が強まることは無く、天気の風は穏やかでしょう。過ごしやすい気温となり、一般に投票率が上がりやすいとされる気象条件に合致しそうです。その後は、台風21号の動向に注意が必要です。複数の気象予測モデルで北よりに進路を変え、東進する予想も出ています。次の三連休の11月初め頃にかけて、北陸地方にも近づく可能性があり、前線との危険な組み合わせで大雨や大荒れとなる可能性もあります。今後の情報に十分注意して下さい。
●衆院選の投票率とお天気や気温の関係
図は、2000年以降に実施された富山県の衆議院議員総選挙の小選挙区全区の過去8回の投票率とお天気や最高気温との関係を示した図です。
平成17年9月11日や平成21年8月30日は、ともに投票率が70%を超えて、高い水準となっています。晩夏から初秋にかけての時期に重なり、今夏や昨夏のような猛烈な暑さはなく、最高気温は25度前後とむしろ過ごしやすい気温となっていました。夏の疲れが出やすい時期ではありますが、当該日の天気は「次第に雨上がり」または「回復傾向」となり、外出の足を大きく阻むような条件はなかったと考えられます。遠出はしなくても近場の投票所には出かけ易い条件が揃ったことが、投票率が高くなった一因と考えられます。
一方、平成26年12月14日は、冬型の気圧配置となり、富山の最高気温は1.7度、最低気温は冬日にはならなかったものの0.2度と1日を通してほとんど気温が上がらず凍える寒さになりました。最深積雪は10cmを観測。市街地でも積雪となり、投票率は50%を割り込んで過去8回の中で最低に。厳しい寒さや市街地でも積雪となったことが投票率を下げた一因と考えられます。
もう一つは、文字通り本来の天気の強い風が吹いた事例です。
平成29年10月22日は、台風21号が本州の南岸を東進し、秋雨前線の活動も活発化。輪島や富山では、風速30メートルを超える北北東の暴風が吹き、敦賀では、日降水量が152.0mmにも達する10月の歴代3位となる大雨となりました。北陸西部を中心に大荒れの天気となり、投票率は、過去8回で2番目に低く、50%をやや超える程度にとどまりました。
近年は投票日の天気に左右されない期日前投票の利用者が増加傾向となっています。また、選挙の争点の違いよって投票率が変わりますので、その分は割り引いて考える必要はありますが、荒れた天気になると外出を控えて、投票率にも影響が及ぶことがありそうです。
10月27日の北陸地方は、天気は曇りベースとなるものの大きな崩れは無い見込みです。最高気温は暑からず寒からずでむしろ過ごし易い気温とも言えそうです。紅葉シーズンは例年より多くの地点で遅れ、絶好の行楽日和とは言えない状況です。無党派層を中心に投票行動を促し、投票率を上げていくには絶好の投票日和とも言えそうです。
●気象庁の台風21号情報
大型の台風第21号は、25日15時現在、マリアナ諸島にあって、北西へ毎時25kmで進んでいます。中心気圧は996hPa、中心付近の最大風速は18m/sです。この台風は、28日にかけて西よりに進み、フィリピンの東に達するでしょう。29日は北よりに向きを変えて、30日15時には沖縄の南に進む見込みです。
●発達した強い低気圧性循環 11月初めの三連休に北陸に接近か
図は、日本の予測モデル(GSM)の11月2日(土)の降水量や風の予想を示したものです。
上空の太平洋高気圧は依然強く、11月始めにかけて北への張り出しを強める見込みです。台風や熱帯低気圧は、高気圧の縁に沿って進みやすい特徴があり、縁の部分が本州付近に位置すると、台風や熱帯低気圧は本州付近を東進しやすくなります。
同時に、本州付近には、前線が停滞する予想となっています。台風や熱帯低気圧と前線との危険な組み合わせにより、本州付近に近づく前から大雨になったり、暴風が吹いて大荒れとなるおそれもあります。今後の動向には十分注意して下さい。