今週末は本州付近に非常に湿った空気が次々と流れ込み、あちらこちらで雨雲が発生する見通しです。急な強い雨や落雷に注意してください。とくにさえぎるものの少ない稜線で雷雨に見舞われると危険です。周囲の天気の変化に気を付けて無理のない行動を心掛けてください。
●土曜日 本州付近は湿った空気の通り道に
台風10号は土曜日午前9時の時点でまだ小笠原諸島より南にあって影響はほとんどない見通しです。一方、台風9号から変わった温帯低気圧がオホーツク海に進んで発達し、低気圧やそこから延びる前線に向かって非常に湿った空気が流れ込むでしょう。本州付近はこの南西の大きな流れや、太平洋高気圧の縁を回る湿った空気の影響を受ける見通しです。湿った空気が大量に流れ込んでいる状況で、日射によって地面があたためられることで大気の状態が非常に不安定になります。九州から東北にかけての広い範囲で、昼頃から夕方に雨を予想しているところが多くなっており、雷を伴って激しく降るところもあるでしょう。急な強い雨や落雷に十分注意してください。一方、大雪山は前線の通過に伴ってはじめ雨ですが、次第に天気は回復に向かう見通しです。
●日曜日 湿った空気の流れが変わらず
日曜日午前9時になると台風10号は小笠原諸島の西にあって、このころから台風周辺からの湿った空気の影響を受け始めるでしょう。また日本海に気圧の谷が残って、本州付近には引き続き南西から非常に湿った空気が流れ込む状況が続く見通しです。このため引き続き九州から東北にかけて広い範囲で午後を中心に雨が降るところがあるでしょう。急な強い雨や落雷、また局地的な大雨に十分注意してください。かなり広いエリアで雨雲が発生することが見込まれるため、必ず雨具を持ってください。一方、北海道は高気圧に覆われるため大雪山は場合によっては山頂部が雲から頭を出す可能性がありますが、前線の北側は初秋の空気に覆われています。やや空気が冷たく感じられそうです。防寒具を忘れずに携行してください。
また、日本海の気圧の谷は台風10号が接近すると顕在化してますます天気が崩れていく見通しです。その後、来週前半には台風10号が本州にかなり接近して、山岳は大荒れとなる可能性があります。
●関東周辺の山地で予想雨量が多い
大気の状態が不安定になることで降る雨は正確な予想が難しいですが、傾向を見るために24時間予想雨量を確認してみましょう。土曜日、日曜日とも九州から東北にかけてまんべんなく降る可能性があります。とくに関東平野を取り囲むように位置する山地で雨量が多く予想されています。関東山地を吹き抜ける南風と、日本海側から吹いてくる北寄りの風が関東山地や上越国境に集まるためです。同じように、中央分水嶺に相当する山で比較的雨が降りやすい傾向があるため注意してください。