今週末は太平洋高気圧に覆われて晴れる山岳が多い見込みですが、夏山らしく昼ごろから雷を伴って雨が降るところがあり、特に日曜日は気圧の谷の通過に伴ってかなり広範囲で雷雨となる可能性があります。雷雲に捕まる前に目的地に到着できるよう、早出早着を心掛けてください。また行動中は雨雲レーダーが大いに活躍すると思います。一方、暖かい空気に覆われるため気温は例年に比べて高く、極端な冷え込みはない見込みです。
●土曜日 北海道を除いて絶好の夏山日和
土曜日の天気図を見ると高気圧が日本のはるか東と南西諸島に予想されていて、本州の南北に低圧部や前線が予想されています。これは本州付近がいわゆる鞍部(コル)の状態になっていて、気圧の尾根といえば尾根であり、気圧の谷といえば谷です。登山好きなら峠の地形を思い浮かべるとイメージを持ちやすいと思います。
九州から東北にかけてはまず高気圧に覆われて午前中晴れますが、湿った空気の影響も受けやすく昼ごろから天気が崩れるところがあるでしょう。九重山から鳥海山にかけて、多くの山で晴れ後一時雨を予想しています。ただしこれは普段の夏山の天気パターンの範囲内ですからあまり心配はないでしょう。風もさほど強いところはない見込みです。一方、北海道には前線を伴った低気圧が近づくため雲が広がりやすく、大雪山は曇り一時雨の予想です。
3日午前0時から4日午前0時に降ると予想される雨の量です。低気圧や前線が近づく道北でまとまった雨が予想されているほかは、雨の範囲が狭い予想になっています。7月以降の週末で比較すると最も雨の範囲が少なくて、登山日和といえそうです。
●日曜日 天気急変のリスクが高い
日曜日になると低気圧が北海道を通過し、低気圧から延びる気圧の谷も本州を通過する予想です。気圧の谷が大気の状態をより不安定にするため、土曜日よりも広い範囲で雨が降りやすく、降り方が激しくなる可能性があります。午前中は晴れ間が出る山もありますが、天気の変化に注意してください。
4日午前0時から5日午前0時に降ると予想される雨の量です。内陸部山地に雨が予想されるのは、大気が不安定なときに山沿いで発生する雷雲の特徴です。土曜日に比べると格段に広範囲で雷雲が発生し、局地的な大雨になる可能性があります。