明日10日は広い範囲で梅雨空が戻り、日本海側を中心に大雨になる所があるでしょう。週末にかけては梅雨前線の活動が度々活発になり、警報級の大雨になる所もありそうです。この先は高温多湿で、不快な暑さが続くでしょう。熱中症にも警戒してください。
今日9日は梅雨前線の影響で、東北や北陸、中国地方を中心に雨が降り、局地的に発達した雨雲がかかりました。山形県最上町向町では1時間(午前8時53分まで)に61.0ミリの非常に激しい雨が降ったほか、島根県松江市では3時間(午後0時50分まで)降水量108.0ミリが観測され、いずれも統計開始以来、最も多くなりました。
明日10日も梅雨前線は日本海から東北付近にのび、前線上の新たな低気圧が日本海から近づいてくるでしょう。東海や近畿、四国、九州でも梅雨空が戻り、戻ったとたんに雨の降り方が強まる所もありそうです。特に、明日10日の夕方から明後日11日にかけては前線の活動が活発になり、日本海側を中心に警報級の大雨になるおそれがあります。
これまでに降った大雨で土砂災害や浸水害、洪水害の危険度が高まっている所があります。土砂災害や低い土地の浸水、川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。
●梅雨前線の活動が度々活発に 警報級の大雨になる所も
この先も梅雨前線が本州付近に停滞し、前線上を低気圧が度々、通過するでしょう。12日~13日頃は前線の活動が活発になるため、九州北部を中心に雨量が多くなることが考えられます。梅雨末期の大雨に警戒してください。
また、西日本や東日本の太平洋側でも雨の降る日が多く、大雨のエリアが広がるでしょう。なお、前線の南北の動きや低気圧の発達の程度によっては、大雨になるエリアも変わりますので、今後も最新の気象情報にご注意ください。
実際に大雨が発生したら、適切な対応ができるよう、事前に確認しておくことが大切です。安全を確保するために以下の点に注意してください。
①河川や用水路には近づかないでください。普段は流れの遅い河川や用水路でも、大雨によって水かさが増したり、流れが速くなったりします。増水した用水路は道路との境目が分からなくなっていて、足を取られるおそれがあります。
②運転の際は、アンダーパスなど低い道路は避けるようにしてください。低い道路には雨水が流れ込みやすいため、すぐに冠水してしまうおそれがあります。車が水没して故障したり、水圧によってドアが開かなくなったりして、車内に取り残されると、非常に危険です。無理をして通らず迂回するなどの対応をとってください。
③山などの急な斜面はいつ崩れるか分からないため、決して近づかず、斜面とは反対側に避難するようにしてください。土砂災害警戒情報や大雨警報の危険度分布を細かく確認して、状況を常に把握するようにしましょう。
④地下は浸水するおそれがあるため、雨漏りなど異変を感じたら地上に移動するようにしてください。地下では危険を察知することが遅れてしまいがちです。こまめに気象情報を確認し、速やかに地上に移動できるようにしておきましょう。
⑤上流にダムのある河川の近くに住んでいる場合は、ダムの水位情報を確認するようにしましょう。大雨が長時間にわたって降り続くと、ダムは決壊を防ぐために放流を始める場合があります。
●梅雨末期の大雨に警戒 蒸し暑さが続く
梅雨明けが気になる時期ですが、梅雨末期は過去にも大雨による大きな被害が発生したこともあります。今後も梅雨前線による大雨に警戒してください。
この期間は蒸し暑さが続くこともポイントです。日差しの少ない日でも最高気温が30℃を超える日がほとんどで、名古屋では35℃くらいまで上がる日もあるでしょう。湿度も高いため、熱が体にこもりやすく、熱中症のかかるリスクが高まります。夜の気温も下がりにくいため、夜間の熱中症にも注意が必要です。昼夜問わず、熱中症対策を万全に行いましょう。
●熱中症予防のポイント
熱中症は屋外だけでなく、室内で何もしていないときでも発症し、救急搬送されたり、場合によっては死亡することもあります。この先も厳しい暑さが続きますので、熱中症にならないためには以下のポイントを心がけましょう。
①日頃から体調管理を心がけてください。
②できるだけ暑さを避けて、喉が渇く前から水分補給を心がけてください。なるべく涼しい服装を心がけ、日傘や帽子も活用するのが効果的です。入浴の前後や起床後も、まずは水分を補給しましょう。汗を大量にかいた場合は水分だけでなく、塩分補給も忘れないでください。
③暑さを我慢せず、エアコンを使って室内の温度を適度に下げましょう。少しでも体調が悪いと感じたら、無理をしないで自宅で静養することも必要です。特に、高齢者や子ども、障がいのある方は熱中症になりやすいため、周りの方が気を配るなど、注意が必要です。