きょう19日は、関東甲信を中心に気温が上がりましたが、あす20日は、さらに広い範囲で夏日地点が増え、30℃近い暑さになる所も。体が暑さに慣れていない時期、春でも熱中症にご注意ください。注意したいポイントとは?
●きょう19日 夏日地点は今季最多 関東甲信の10地点以上で27℃以上
きょう19日は、南から季節外れの暖かい空気が流れ込んで、朝から晴れている関東甲信を中心に気温が上がりました。
沖縄を除いて、一番気温が高かったのが山梨県大月市で28.5℃でした。群馬県伊勢崎市で27.9℃、埼玉県熊谷市と千葉県市原市の牛久で27.3℃まで上がるなど、関東甲信の14地点で27℃以上の暑さになりました。
前橋市や宇都宮市で今年初めての夏日となりましたが、前橋市ではいきなりの27.0℃を観測しました。
九州や四国でも気温が上がり、全国のアメダス106地点で最高気温が25℃以上の夏日となり、きのう18日に並び、今季最多となりました。
●季節外れの暖気が北上 急な暑さが危険
季節外れの暑さの原因は、上空に流れ込んでいる「暖気」の影響です。
きょう19日は、関東の上空1500メートル付近に12℃以上(館野で6月中旬並み)の暖かな空気が流れ込んでいますが、あす20日の暖気の予想図を見ると、東北まで季節外れの暖気が流れ込む見込みです。
このため、あす20日は、きょう(19日)よりも広い範囲で気温が上がり、九州から東北南部にかけて、夏日地点が増えるでしょう。
予想最高気温は長野県松本市で30℃、京都市、福島市、福井市で29℃、甲府市、長野市、鳥取市で28℃、大阪市、名古屋市で26℃、東京都心や新潟市で25℃の予想です。
日本海側ではきょう19日に比べて8℃前後も一気に暑くなる所も多くなります。
屋外の活動中や車の中など、熱中症に十分注意してください。
●春の熱中症に注意 暑熱順化による体の変化
暑熱順化とは、体が暑さに慣れることです。まだ4月のうちは、ほとんどの方が体が暑さに慣れていない状態です。
暑熱順化ができていないと、体の熱をうまく外に逃がすことができず、「熱中症になる危険性」が高まります。
人は体温が上がると、汗をかくこと(発汗)による気化熱や心拍数の上昇、また、皮膚血管拡張によって体の表面から空気中に熱を逃がす熱放散で、体温を調節しています。この体温の調節がうまくできなくなると、体の中に熱がたまって体温が上昇し、熱中症が引き起こされます。
暑熱順化ができると、体の外に熱を逃がしやすくなること、汗からナトリウムを失いにくくなること、体温が上昇しにくくなることなどにより、熱中症になりにくい状態になります。
春の熱中症にかかりにくくするためには、暑くなり始める頃から、暑さに備えて体づくりを行うと良いでしょう。「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる運動を、毎日30分程度行い、体を暑さに慣れさせてください。
あす20日は、急な暑さに備えてください。
●あると便利 熱中症対策グッズ
あす20日、日中、外で過ごす時には、熱中症にご注意ください。熱中症対策として、次のようなグッズがあると、便利です。
① ペットボトルや水筒に入った飲み物(水やスポーツドリンクなど)を用意して、気づいた時に、すぐ水分補給ができるようにしましょう。また、塩分タブレットや塩分の含まれた飴があると、大量の汗によって失われた塩分を、手軽に補給できます。
② 日傘や帽子で、日差しの暑さを遮りましょう。晴れた日は、地面に近い所ほど気温が高いため、背の低いお子さんは、大人よりも暑い空気に包まれてしまいます。また、帽子をかぶると、熱中症対策だけでなく、紫外線対策にも効果的です。帽子は、時々はずして、汗を蒸発させましょう。さらに、海岸など日陰のない所でのレジャーでは、日よけテントがあると、日陰を作り出すことができます。
③ 扇子やうちわ、携帯扇風機もおススメです。涼しい風で、体を冷やすことができます。
④ 冷却シートなどの冷却グッズも、上手に利用しましょう。ネッククーラーは、太い血管が体の表面近くを通っている首元を冷やすため、効率よくクールダウンできます。また、保冷剤や氷があれば、タオルなどにくるみ、体(首、脇の下、太ももの付け根など)にあてて、冷やすことができます。他にも、スカーフやバンダナがあると、水で濡らして首や頭に巻けば、水が蒸発する時にまわりの熱を奪うため、体温を下げることができます。