気象庁は10日、エルニーニョ監視速報を発表しました。今後、秋の間に平常の状態になる可能性もある(40%)が、冬のはじめまでラニーニャ現象が続く可能性の方がより高い(60%)と予想されています。
●「ラニーニャ現象」冬のはじめまで続く可能性
気象庁は10日、エルニーニョ監視速報を発表しました。
それによりますと、エルニーニョ監視海域の海面水温は一時的に基準値に近い値となったものの、大気と海洋の状態はおおむねラニーニャ現象時の特徴を示しており、昨年秋からラニーニャ現象が続いているとみられます。
今後は、秋の間に平常の状態になる可能性もある(40 %)が、冬のはじめまでラニーニャ現象が続く可能性の方がより高い(60 %)としています。
●ラニーニャ現象とは
「ラニーニャ現象」とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて、海面水温が平年より低くなり、その状態が1年程度続く現象です。
太平洋赤道域では、貿易風と呼ばれる東風が吹いているため、通常、暖かい海水は西側のインドネシア付近に吹き寄せられる一方、東側の南米沖では、海の深い所から冷たい海水がわき上がっています。ただ、何らかの原因で東風が強まると、西側の暖かい海水が厚く蓄積するとともに、東側にわき上がる冷たい海水の勢いが強まり、南米沖の海面水温が通常より低くなるのです。
●日本への影響は?
「ラニーニャ現象」は海で起こる現象ですが、発生すると大気にも影響を及ぼし、世界各地で気圧配置などがいつもとは違った状態になるといわれています。雨や雪の降りやすい場所や、風の吹き方、気温などが変わってきます。
「ラニーニャ現象」発生時の日本は、上の図のように7月から9月にかけては、東日本、西日本を中心に平均気温は平年並みか高くなる傾向にあります。先週発表された一か月予報でも、8月後半から9月の初めにかけて気温は全国的に平年より高くなる可能性が高くなっています。熱中症予防など体調管理にご注意ください。